![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7508764/rectangle_large_type_2_2fda384790e980bd91ddbfe4efb3c177.jpg?width=1200)
心の余裕と創造性
心のありかたが創造性に繋がるのではないか、という話です。
フィンランド・ヘルシンキでCreative Morningsというイベントに参加してきました。
Creative morningsは、世界中で金曜日の朝に行われる朝活イベントのようなもの。ニューヨークで始まり、現在180以上もの都市で開催されています。
そんなCreative Mornings Helsinki、8月開催のテーマは「コミュニティー」。
登壇したのはJaakko Blombergさん。
要らなくなった服をフリマのように売りながらピクニックを楽しむHELSINKI CLEANING DAYや、ヘルシンキ中のサウナを開放して人を集めたHELSINKI SAUNA DAY、道に1000人以上の人を集めたDinner Under The Skyなどヘルシンキを中心に様々なイベントを手がけています。
そんな彼が、「コミュニティーの創りかた」について話しました。まずは、イベントの中身を少し紹介します。
「許可をもらうのではなく、許してもらう」
そんなJaakkoさんがイベントプロデューサーになったのは、友人のある投稿がきっかけだったといいます。
要らないものが家にいっぱいある。どうにかできないかな。
そんな投稿から話が盛り上がり、HELSINKI CLEANING DAYを開催することになりました。
ヘルシンキ市内の道や公園を使って、要らないものを売ったり買ったりできるようにしよう。
計画は実現へと向かい、Webサイトも作り、参加希望者は瞬く間に増え――しかし、公共の場所を使う許可が出ていたわけではありませんでした。
ヘルシンキ市に掛け合う時には「こんなイベントをするんですけど」というと、「たくさんの人がいらないものと共にやってきたら、汚れて大変なことになるのでは」「売れ残った不要な物を置いて行く人が出てくるのでは」と言う声があがったと言います。そんな不安の声を受けたJaakkoさんは「大丈夫です。みんな自分たちの街をきれいにして帰ることくらいできます」と返し、半ば無理やりに開催にこぎつけたと言います。
蓋を開けてみると、当日はかなりの人と物が集まりました。でも、夜になると始まる前よりきれいになっていたそうです。
あまりにも大盛況だったため、市もしっかりと認めてくれ、毎年開催されるイベントとなりますた。
計画の段階で「許可」をもらおうと掛け合うのではなく、参加者も集まってから「許し」を請う―それがコミュニティーづくりの1つ目のコツだとJaakkoさんは言います。
これは、コミュニティーづくりに限った話ではなく、新しいことを始めようとする全ての人に共通すると思います。
似たような話を、新規事業の立ち上げに携わる人から聞いたことがあります。
「こんなことやろうと思うんですけど、いいですか?」って聞きに行くから反対されるんだ。ちょっと反対されたくらいでやめるな。自分は「こんな事業をやるので○○万円ください」「反対」「そういわれても、もうお客さんつけちゃったんで」ってくらいの勢いでやってる。お客さん付けちゃったからには、予算を付けざるを得ないでしょ。
新し事を始めようとすれば、懸念や反対の声が上がるのは当然です。お伺いを立てるのではなくて「やるんで!」くらいの勢いでなくては駄目だということ。
「コミュニティーづくりの鍵は、シンプルさ。」
できる限り自由度を与えて、そこにいる人々に好きにさせること。そうすればイベントは勝手に走る―Jaakkoさんは、様々なイベントを企画するうえで大切にしていることをそう語りました。
Cleaning Dayにしても、Sauna Dayにしても、コアになるのは1~3人のメンバーだと言います。でも、自由にする余地があることで参加者が自分なりの楽しみ方を見つけたり、似たようなイベントを開催するようになるのだとい言います。つまり、ただの受動的な参加者というよりは、参加者がイベントを担う一部になるということです。Cleaning Dayをきっかけにフリマが増えたり、Sauna Dayの後に様々なサウナイベントが行われるようになったのはその例でしょう。
しかしもちろん、「何でもしていいよ」と言ったのではイベントは成り立たちません。大枠のテーマは与えたうえで、好きに楽しんでもらうことが大切なのだと言います。
そこで鍵になるのがシンプルさです。
「最低限の決まりだけ作る。余計な決まりは作らない。3行でわかるような説明にするんだ。」どんなイベントで、何が行われて、何ができるのか。それらが3行で理解できるような内容でないと、多くの人が参加してくれるような場は作れないということです。
「自分の企画しているイベントでも、参加者から質問のメールが来たりする。質問が来るようなのはダメだ、参加者を不安にしてるっていうことだから。」不安に思うということは、その人を取り逃すかもしれないということだ。わかりやすく、シンプルに。これが何より大切だと言います。
これはとても刺さりました。私自身TRAVEL HUB MIXのインターン生としてイベントを何度か企画しているますが、思い入れが強かったりこだわりが強かったりするほど、シンプルな説明に収めるのは難しいんですよね。自分はわかりやすく書いているつもりでも、全く知らない人が見るとわかりにくかったり。小手先の文章の問題、というよりはイベント自体の設計の問題なのだと思います。無駄を削ったわかりやすいイベント設計ができるか、ということですね。
さらに、イベント作りだけでなくどんなことにでも当てはまると思います。一番核になる部分、大切な部分と言うのはそんなに多くないはずです。誰かに何かを伝えるとき、それが対一人でもSNSでも同じです。コミュニティーは一人ひとりの集まりだから、根幹の部分は変わらないのかもしれないですね。
心の余裕が創造性に繋がる
さて、このイベントに参加していたのは、ほとんどが働いている方でした。平日の朝にもかかわらず8時過ぎから10時過ぎまで、ケーキとコーヒーを片手に楽しくおしゃべりをし、Jaakkoさんの話を聴く。
私がお話したフィンランド人の方は、デザイナーの仕事をしていて、「同僚に誘われて今回のイベントに参加したの」と微笑んでいました。
デザイナーの方がCreativeなイベントに興味を持つのは当たり前かもしれませんが、社会人として働いていても、朝の時間にこうやって刺激を受けると、心の余裕に繋がるんだろうな、と思いました。
幸せな国として有名なフィンランドは、デザインなど創造性が問われる分野でも有名です。
そこに相関関係があるのかはわかりませんが、たまにはこういったイベントに参加して刺激を受けるだけの時間的・精神的余裕は忘れないのが大切だと感じた朝でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?