規則性を保つ。

当たり前のように存在していたものがある日忽然と消えたとして。
失ったものの存在に気づき、なだらかだったと思っていた道が想像以上に急勾配でガタガタしていて。
もしかしてと思って振り返ると何もない荒地で。
夢でも見ていたんじゃないかと。

なんで気づかなかったんだろう。

2枚ぐらい隔てた壁の向こう側でわずかに聞こえる悲鳴みたいな感じ。
最初からわかってたはずなんだけど。
見えていたのに見えないふりをしていただけなんだ。

バカだな。
何年無駄にしたんだ。

長い間放置していたら切り刻んで歪にくっついた部分が癒着して剥がれなくなった状態のような…。
内側から。
今はそれを少しずつ素手でバリバリとかきむしって切り裂いて引き剥がす。
そう内側から。

押し広げた向こう側の世界…。
開いたその隙間から見える空がめまいがするぐらいの青空だったらいいなとか。

見て見ないふりをしていた。
この数年間を。
取り戻す方法を今はとにかく探さなきゃいけない。
一定のリズムを保ちながら。


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