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おもしろ話をおもしろく伝える難しさ

飲み会やちょっとしたおしゃべりの時間に、よく自分のエピソードを話す。

面白話をして盛り上がればいいなくらいの感覚で、自分の記憶を掘り起こして面白かった出来事をつらつらと話すと、思いのほか笑ってもらえると気づいたのは17か18くらいの寮生活の時だった。

その時はどんな話をしていたか、もうあんまり覚えていないけど、たぶん小学校の時にバトル鉛筆(通称バトエン)が流行り、強いバトエンを持っているやつがもてはやされていた時に、人のバトエンを膝でたたき折る"ブレイカー"と呼ばれる集団が発生し、学級戦争になった話とかだったと思う。

子供ながらの馬鹿話はもちろん、なぜか色恋沙汰に巻き込まれることも多くそういう小中高特有のゴシップな話題も取り揃えていた。

個人的には面白いからストックしていたというよりは、単なる過去の記憶でその中で目立っているものを取り繕って話している感じなのだが、それが思いのほか盛り上がってもらえて、自分も結構うれしかった。

大人になるにつれて、そういうことを話す機会が増えてきた。
会社の飲み会、休憩時間の何か話さないと続かなそうな微妙な空気、友人とのオンラインでの会話、ゲーム中の雑談などなど。

もはや何回話したか分からない一種の落語のようなものから、ふとした瞬間に思い出す思い出の原石みたいな話もある。

そういった話をしていると決まって言われることがあった。

「りごくんの周りでは面白いことがたくさん起こっているんだね」

そう言われて、最初はそうなんだくらいにしか思っていなかったのだが、人のエピソードを聞いているうちにそうでもないことに気が付いてきた。

自分から話すことが多いから、自分のエピソードが中心に展開されることが多いものの、「え~、そんな面白い話の後に話すことないな~」と言いながら絞り出てくる友人のエピソードも、十分面白いのだ。

もちろんそのエピソードの数は多少自分の方が多いのかもしれないが、人のそういう話を聞いている中で思うことがあった。

「自分は他愛もない思い出をエピソードに昇華するのが得意なのかも」

おそらく友人含め多くの人は、ちゃんと振り返れば面白い出来事がたくさん起こってきた人生だっただろう。修学旅行の旅館での一幕とか、夕暮れ時の放課後で生まれた友達の名言とか、彼氏彼女の天然エピソードとか。

それを忘れているわけではないけど、いざエピソードトークとして導入から締めまで、起承転結に並び替えるのが難しいのかもしれない。
そもそもお金とった寄席でもないんだから、そんな難しく考える話ではないのだろうけど、でもやっぱりただ思いついた順に話すとあまり盛り上がらなくて、あれ、と思うことも多いんだと思う。

そんな経験が過去にあるから、見知った友人とかそのエピソードをすでに知っている人とかそういったメンバーの時だけ話すことで、「あの時の修学旅行だけどさ」と導入を言うだけで結末がわかりその場が笑いの渦に包まれる、そういう確変中に限り自分のことを話せる、のかな?と思ったり。

ともすれば、自分は恵まれているのかもしれない。自分の話でみんなが笑ってくれているのだから、うまいこと話を組み立てられて、その場が盛り上がっている。自分も笑ってもらえてうれしいし、周りも楽しめてwin-win。

というわけで自分は自信をもって自分のエピソードを話し、笑いをかっさらってやるのだと息巻いていたのだが、人間欲深いもので、こうなってくるとこの面白いとされている話を発信したくなってきた。

あと一つは、あんまり思い出せなくなってきた。ディテールがあいまいになってきてあれ、この話のここどういうつながりだったっけ、みたいなことが増えてきた。

なので、いっそのこと文章とかにして形に残しておこうということにした。

ラジオが好きなので、某ニッポン放送の番組のように流暢なエピソードトークに乗せて披露したい気持ちもあるけど、需要がない。あと試しにやってみたけど人に話すとうまくいくものがひとり語りすると途端に下手くそになる。

ということで、気が向くままにここに備忘録としてエピソードを残しておくことにします。ないとは思うけど聞いたことがあるなと思った人はそっとしておいてください。

ついでに、それだけだと絶対続かないので好きなことも適度に書いていこう。自分はラジオのほかにASMR(特に耳かき系)が大好物なのだが、昔おすすめのASMR動画をただただ推しまくり紹介するブログを書いていたが、思いの量を文章に落とし込むとえげつないことになり、読みにくいわ書き上がるのに時間がかかるわでまるで続かなかった。

たぶん文章にするのはあまり得意じゃないんだろうと思う。書いているときに「あー、これそのまま言葉で伝えた方が絶対魅力的に伝えられる」といつも思う。

今回も続くかはわからないけど、頑張ろう(遠い目)



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