ロシアのフェイクアカウントについて その⑫:和田春樹氏について

【概要】

東京大学名誉教授なる肩書のついた和田春樹なる人物が、2022年02月24日に発生したロシアのウクライナ侵略に関して珍説を唱えているので、問題点を指摘してみようと思います。

【問題点1】

<和田氏の主張>
開戦5日目の2月28日時点で停戦に向けた話し合いが始められた。ロシア側も条件が合えば、軍事作戦を進めなくてもいいという態度であったと言える。

<筆者の反論>
この時点でプーチンはウクライナに「非武装化」を要求していました。主権国家に対して要求してよい内容ではありません。

プーチン政権というのは、遊びで人を殺して嘘をつく集団です。こんな奴らと対峙しているウクライナが非武装化できるわけないですよね。

2月28日の時点では、ロシアはウクライナと話し合おうとしていません。

【問題点2】

<和田氏の主張>
3月27日、ポーランドの首都ワルシャワで、アメリカのバイデン大統領が演説を行っています。プーチンと戦うことは、復活した専制国家に対する民主主義国家の戦いだという内容でした。こうしてこの戦争は「アメリカの新しい戦争」になってしまったのです。

<筆者の反論>
戦争の主体はロシアとウクライナ。原因はロシアによるウクライナに対する侵略。アメリカがウクライナに戦うことを強要しているわけではなく、ウクライナは生存/領土/主権を守るために自らの意思で戦っています。アメリカは戦争の主体ではなく、ウクライナに対する支援者です。

バイデン大統領が言うところの「復活した専制国家に対する民主主義国家の戦い」というのは、第二次大戦以降の経緯を踏まえてのバイデン大統領なりの歴史的大局観になると思います。

ロシアの現状を「プーチンが皇帝的な存在になった専制国家である」と評価するのは、妥当だと思います。情報統制が行われており、自由に意見が言えない状況になっているようです。

バイデン大統領の「プーチンが皇帝的な存在になった専制国家であるロシアが支配地域を広げようとしており、それに対して民主主義国家であるウクライナが反撃している」との見方に筆者は賛成です。

【問題点3】

<和田氏の主張>
即時停戦すべき。正義、幸福、平和は停戦して初めて追求できる。

<筆者の反論1>
国際法に違反して隣国を侵略したロシアに対してウクライナは自衛の戦争を戦っています。この戦いは正義の追及ではないのでしょうか?

<筆者の反論2>
「停戦したら占領地の住民の命は保証される」なんて幻想です。一旦抵抗した後に占領を受け入れれば、ロシアは虐殺を行います。占領下の人々の人権も守る必要があります(例:イジュームの虐殺)。

また、国土の一部を占領された状態で停戦すればプーチン政権は暫くするとそこから侵略を再開します。その時に前線に立たされるのは、占領地で徴兵される人です。クリミアや東部ドンバス地方の人は、現在徴兵されて前線に送られています。

<筆者の反論3>
戦争の終わらせ方について述べた千々和泰明さんの記事があります。

記事の中で千々和さんは「平和の回復にとっては、必ずしも戦争終結それ自体が重要なのではありません。また、戦争終結は早ければよいとも限りません。戦うべきなのに妥協してしまって戦争の惨禍が何度も繰り返されてしまう事態も避ける必要があります。」と述べています。

プーチンは今までにチェチェン、シリア、クリミア、ドンバスで無法を繰り返してきています。その都度国際社会が甘い対応を取ってきたことがプーチンの増長に繋がり、今回の惨事を呼び込んだともいえると思います。

プーチンのような見境のない相手に安易に妥協することは禁物です。国土の一部を占領された状況で停戦すれば、数年後に更に領土を要求されることになります。「ロシア軍は軍事的被害を被ったが何ら得るものが無かった」と経験で学ばせる必要があると思います。

「侵略軍を占領地から完全に撤退させてから停戦交渉に入る」という流れがあるべき展開であると思います。

【問題点4】

<和田氏の主張>
ウクライナ東部を確保しようという方針をとってきていて、そこを押し戻すのは簡単ではありません。

<筆者の反論>
ロシア軍は疲弊して前に進めなくなっています。ウクライナ軍はロシア軍を押し戻すことが出来ます。経済制裁を強化し、外交圧力を強め、ウクライナに対する軍事支援を強化するべきです。

【問題点5】

<和田氏の主張>
国際法というものは、侵略の戦争を許しません。しかし、国際的な法律が常に守られていて、違反すれば罰が与えられるという枠組みができているかといえばそうではありません。あくまでも努力目標です。

<筆者の反論>
和田氏は何故、交際法に違反して隣国に侵略して虐殺を行ったプーチン政権を非難しないのでしょう?国際法違反/人道に対する罪を糾弾する必要はない、ということでしょうか?

和田氏は国際秩序を破壊したいのでしょうか?プーチン政権は明確に国際法に違反しているのだからやめさせるべきですし、人道上の罪を犯したのであれば国際社会が納得するだけのペナルティを加える必要があります。

国際世論を取りまとめて経済制裁/外交圧力を強化するべきです。ロシア社会に強いメッセージを発してゆくことも、問題の早期終結に寄与します。

【問題点6】

<和田氏の主張>
当事者でない人が言うべきことは、よく話し合ってくれと言うのが本源的に当たり前のことだと思います。

<筆者の反論>
プーチン政権が戦争を開始した際の言い分は「非ナチ化」だの「東部で虐殺されていたロシア語話者の保護」などのデッチ上げです。戦闘に際しては市民を標的にした攻撃を意図的に行っており、占領地では異常な残虐性を見せています。約束を守らない相手/人道上のルールを守らない相手に何を話し合えと言うのでしょう?

【問題点7】

<和田氏の主張>
プーチン大統領がソ連崩壊後の混乱を克服して、ロシア国家を強くしたのです。

<筆者の反論1>
プーチン政権は秘密警察を駆使した監視社会を作り上げ、情報統制を行って国民を隣国への犯罪に駆り立てています。前線に立たされるのはロシア連邦に参加している少数民族です。この状況を「プーチンがロシアを強くした」と表現することは妥当でしょうか?

<筆者の反論2>
子供や妊婦さんを殺す軍隊を「強い」と表現するべきでしょうか?プーチン政権が異常な残虐性を示すのは、チェチェン、シリアに続いて3回目です。倫理観の欠如した政権が市民に暴力を行使している状況に対して、人道的な感情は湧かないのでしょうか?「強くなったなぁ」が和田氏の感想でしょうか?

<筆者の反論3>
プーチン政権の犯罪行為に異を唱えて投獄されるロシア人も沢山います。こういう人たちは、和田氏の中ではロシア人じゃないのですかね。プーチン政権に利益誘導されて、そこに安住するロシア人だけがロシア人なのですかね?政権に癒着した新興財閥実業家が莫大な富を得ていることはご存じですよね。国富の横領と呼ぶ声もあります。不正を糾弾して殺されたジャーナリストも沢山居ます。なぜ和田氏はプーチン政権を尊重したがるのでしょう?和田氏は民主主義を破壊したいのでしょうか?

【問題点8】

<和田氏の主張>
屈辱を与えるべきではない。

<筆者の反論>
プーチン政権の犯罪の被害に遭われた人達の前でこのセリフを口にすることが出来ますか。

【問題点9】

<和田氏の主張>
ロシアに言い分があってそれが正しいということではありません。ソ連という国に変化が起こり、新しい体制が生まれ、ウクライナが独立し、そこに新しい問題があったということです。

<筆者の反論>
プーチンがウクライナ侵略を開始するまでにやってきたことは、謀略、暗殺、横領、選挙不正と嘘ばかりです。プーチンは、国民の信任を受けた政治家というよりは詐欺師に近い存在です。

ナワリヌイ氏はプーチンがウクライナ侵略を行った動機として「ロシア国民からの横領行為を覆い隠し、国内の諸問題から国民の目をそらすことだ」と指摘しています。

問題は主にロシア国内にあります。ロシアとウクライナの関係に問題があるとすれば、ロシアの過干渉が問題だと思います。

事実上、和田氏はプーチン政権の侵略と暴力を擁護していると見做せると思います。

【まとめ】

和田春樹氏

和田春樹氏の写真です。プーチン政権の暴力に晒された人にとって、どんな存在でしょうか。

東京大学の歴史学の名誉教授だそうですが、喋っている内容が「反民主主義/国際法の軽視/人道に対する罪の黙殺」となっています。日本国が尊重する価値観と大きく乖離していますし、国際社会が団結してロシア社会に強くメッセージを発するべき場面において、和田氏は足を引っ張っております。

東京大学は人事を見直す必要があると思います。

(写真引用元)https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/07/28/23900.html

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