ロシアのフェイクアカウントについて その61:佐藤優と副島隆彦

【概要】

佐藤優氏と副島隆彦氏の著作「欧米の謀略を打ち破り よみがえるロシア帝国」の抜粋がWEBに掲載されていたので反論してみます。記事は全部で4つに分かれています。
 その①
 その②
 その③
 その④

佐藤優氏は元外交官で、現在は同志社大学神学部の客員教授でかつ作家です。副島隆彦氏は作家/評論家という肩書で記事を書いているようです。副島国家戦略研究所なるシロモノを主宰しているそうです。

WIKIによりますと、副島隆彦氏は明治維新について「イギリスが当時覇権を争っていたロシア帝国の勢力拡大を防ぐため、岩倉具視、坂本龍馬らのスパイを育成・使役することによって親イギリス政府を作るという世界戦略の一環であった」と主張しているそうです。

書籍や動画といった媒体で「ディープステート=国際金融資本が明治維新の黒幕」なる主張を為す輩(林千勝/馬淵睦夫/苫米地英人、等)がいます。多くがロシアの侵略を擁護しています。副島隆彦氏はこういった輩に近いように見えます。

【本文】

<①:佐藤氏の主張>
そもそも、なぜロシアがウクライナに侵攻したのか。その理由は簡単で、NATOの東方拡大への反対と、ウクライナ国内のロシア人の権利の保全。それから、ウクライナのネオナチ一掃という3点です。

<①:私の反論>
「開戦時にプーチンがそう言っていた」というだけの話です。全部嘘です。反論はこちら

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<②:副島氏の主張>
私は、日本では初めて「プーチンはハメられたのだ理論」を提起しました。つまり、プーチンは騙(だま)された、罠(わな)にはまった。英と米に騙されたんですよ。周到に仕掛けられた罠に落ちて、戦争に引きずり込まれたのです。

<②:私の反論>
Twitterでは、ロシアの洗脳に引っ掛かった親露派アカウントが「プーチンはディープ・ステートによって戦争に引き込まれた。日本がWWIIで戦争に引き込まれたのと同様である。」と主張しています。ロシアの情報機関は日本人に対してウクライナ侵略をそういう風に見せたいようですね。ここでディープ・ステートのところは、類似した単語(ネオコン/国際金融資本/ユダヤロビー/グローバリスト)に置き換わることがあります。大まかには、世界を裏で操る闇の組織的なイメージで喋っているようです。

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<③:副島氏/佐藤氏の主張>
副島氏:私は、プーチンが欧米のディープステイトとはっきりと対決してウクライナで開戦してくれたから感動しました。
佐藤氏:大きいところは、ディープステイトとの戦いに、ロシア全体が踏み切ったということですよ。さらにプーチンは、アメリカのネオコン勢力の影響をロシアとウクライナから一掃しようとしています。

<③:私の反論>
プーチンがやっているのは大規模猟奇殺人です。

副島氏と佐藤氏が「ディープ・ステート」という言葉で何を表現しようとしているか、この記事では明らかにされていません。コメントしようがありません。

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<④:副島氏の主張>
ブチャの虐殺はウクライナ政府が仕組んだものです。

<④:私の反論>
嘘です。反論はこちら

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<⑤:佐藤氏の主張>
ドネツクやルハンスクの人々は家族ですからね。家族がやられているのだから助けに行くのは当たり前、ということです。

<⑤:私の反論>
ロシア語話者の多かったマリウポリは壊滅しました。ロシア軍は東部のロシア語話者を守ろうとしていません。反論はこちら

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<⑥:副島氏の主張>
核戦争の可能性が、ウクライナというヨーロッパのはずれで出てきた。ただ、西側としては「ロシアの脅しには乗らないぞ」の一点張りですね。西側で最高級の核分析をやっている、核使用の決断をしなければならない人々にとっては、これ以上は一言も答えられない。彼らは判断停止に陥る。そして、ただひたすら「脅しには乗らない」と言う。まったく分析になっていない。

<⑥:私の反論>
副島氏の言動は参考になりません。

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<⑦:佐藤氏/副島氏の主張>
佐藤氏:日本維新の会の参議院議員である鈴木宗男さんも、国会で「停戦するようゼレンスキーに働きかけるべきではないのか」と質問していましたけどね。
副島氏:それが正しいんです。停戦こそが指導者がするべきことです。

<⑦:私の反論>
「力による現状の変更を試みたら要求が通った」という実績を作りたいのでしょうか?国際社会のルールが激変します。

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<⑧:佐藤氏/副島氏の主張>
佐藤氏:ウクライナ侵攻後、ロシアの政府系テレビ第1チャンネルで「アンチフェイク」というテレビ番組を毎日放送しています。
副島氏:しかし、それらは世界には広まらないですよ。
佐藤氏:いや、そもそも広める気なんかない。ロシア人が納得すればいいのです。

<⑧:私の反論>
ロシア軍は隣国を侵略し犯罪の限りを尽くしていますが、プーチン政権は国内向けにプロパガンダを流してロシア国民に事実を見せようとしません。

ロシア国民に対しては、これはロシア政府による背信行為になります。国際社会に対しては、自分たちだけの認識で実力行使を継続することはルール違反になります。

プーチンは最後に国際法廷でどのように反省するのでしょうね、「ウクライナはナチではなかった」と述べるのでしょうか?

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<⑨:副島氏の主張>
プーチンは6月17日、「ウクライナが(NATOに入るのは絶対に許さないが)EUに入るのはかまわない」と言いました。このとき、私はプーチンはものすごく頭がいいと判断しました。彼は政治の大天才です。この発言は、ものすごく重要だと思います。

<⑨:私の反論>
プーチンはどうしようもない嘘つきです。副島氏はプーチンの嘘が見抜けていないようです。参考情報はこちら

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<⑩:副島氏の主張>
ウクライナ戦争で、ロシア帝国が復活したと言えます。

<⑩:私の反論>
ロシア軍の強さは評価されていません。ロシア軍に関する邪悪/醜悪/愚か/有害という要素ついては、評価が定着しました。

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<⑪:副島氏の主張>
西側メディアは日本を含めて「専制国 対 民主国勢力の戦い」と、必ず書きます。だが、何が民主国家だ。ディープステイトが上から支配しているだけじゃないかと。「お前たちこそ民主政体(デモクラシー)ではない」ということです。これを私がいくら言っても、日本では誰も相手にしてくれません。

<⑪:私の反論>
この記事ではディープ・ステートという単語にどういう意味を込めているのかわからないので、コメントのしようがありません。ディープ・ステートに関しては、こちらのnoteで考察しています(反ディープ・ステート/グローバリスト/ネオコンの項が参考になります)。

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<⑫:佐藤氏の主張>
そもそも今回の戦争を見ていく際に、ウクライナという国家は歴史的に存在していない、というところからスタートしなくてはいけません。

<⑫:私の反論>
2022年02月24日時点で国連に加盟した独立国でした。

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<⑬:佐藤氏の主張>
結局、5月のダボス(会議)でキッシンジャーが言った方向で事態は落ち着くと思います。

<⑬:私の反論>
2022年011月時点での佐藤優氏の予測ということで、了解しました。

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<⑭:副島氏/佐藤氏の主張>
副島氏:今回、プーチンがどんなに優秀で正しいかがよく分かった。
佐藤氏:そこはもう意見が一致しています。だから、違いは彼がやっていることが正しいかどうかというところだけ。
副島氏:正しい。正義であり、かつ強い。
佐藤氏:強くて頭もいいけど間違えていると思っている(笑)。

<⑭:私の反論>
本来、ウクライナとロシアは殺し合いをする必要がありません。プーチンの馬鹿馬鹿しい嘘に巻き込まれて、今も多くの人命が失われています。

嘘をついて人を殺す。人を殺して嘘をつく。それがプーチン政権。

【まとめ】

佐藤優氏と副島隆彦氏の喋っていることはプーチン政権のまき散らすプロパガンダそのもので、妄想です。認めたくない事実をスルーし空想の概念(ディープ・ステート、等)を語れば、こんな記事が出来上がります。

ディープ・ステート陰謀論とプーチンのロシア侵略を関連付ける主張や、ディープ・ステート陰謀論と明治維新/真珠湾攻撃を関連付ける主張の発信源はどこでしょうね。林千勝/馬淵睦夫/苫米地英人等も類似の主張を展開しています。どこかでロシアの情報機関が絡んでいるハズです。

佐藤優氏に関して言えば、プーチン政権関係者との人脈が彼のウリなのでしょう。彼らが見せたい世界観を喋っています。モノゴトの善悪/世界平和の理念/日本の国防を考慮せずに喋っている点に注意を払う必要があります。

副島隆彦氏はよく分かりません。著作のタイトルだけを見た感じでは、Qアノンの影響を受けていそうです。

【補足1:佐藤優のエージェント】

①この記事で、佐藤優氏が「アレクサンドル・カザコフ君から聞いた話」としていろいろ喋っています。

②カザコフ君はこんな人のようです。「ウクライナはナチだから殺せ」という狂信的な主張をテレビで喋る人。プーチンのプロパガンディストです。

③こういう人たちとツーカーで喋れることが、佐藤優氏の強みなのでしょうね。しかし、プーチン政権が倒れたらこういった人脈にはなんの価値もありません。プーチンのプロパガンディストとしての社会的責任だけが残ります。

【補足2:佐藤優の懐事情】

①割と懐事情は寂しいのかもしれません。ロシアはあまりお金をくれないのかも。投稿はこちら

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