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若い劇伴作家のための映画案内#2

明日に向かって撃て!



原題は「Butch Cassidy and the Sundance kid
全然、明日も撃つも関係ないけれど、原題のまま日本語にしても日本ではヒットしなかったかなあと笑 多分当時、明日とか撃つとかそういうワードが入ったタイトルの映画が流行ってたのかな。
邦題が重要だったことはたくさんあります。例えば、「愛と青春の旅だち」=「An Officer and a Gentleman」とかね。
映画の原題って、本当にこれでヒットしたんだ!っていうのが結構あります。今度そういうのまとめてみようかな笑

さてこの映画はアメリカン・ニューシネマの代表作の一つです。
ちなみにこれって日本だけの言い方で、「The Hollywood Renaissance」「American New Wave」とか言うらしいです。要注意。
アメリカン・ニューシネマとは?というのは後で。

1969年作品。監督はジョージ・ロイ・ヒル
スティング」 The Sting (1973)という名作も撮ってますね。このサントラも超重要案件。聴いておくべきです。スコット・ジョップリンね。

ヒルさんの映画だと、個人的には「ガープの世界」 The World According to Garp (1982) がリアルタイムで、結構記憶に残っております。ラストにビートルズの"When I'm Sixty-four"がかかります。小説そのものも好きでした。原作はジョン・アーヴィング。映画になった作品いくつもあり。不思議な作品が多いです。「ホテル・ニューハンプシャー」(The Hotel New Hampshire 1984)とか「サイダーハウス・ルール」(The Cider House Rules 1999)とか。後者の音楽はレイチェル・ポートマン
村上春樹さん訳の「熊を放つ」なんて作品もあります。

話を戻して、アメリカン・ニューシネマってなんだってことですが、60年代後半から70年代前半くらいにに起きたアメリカの映画のムーブメントで、反体制というか反ベトナム戦争というか、まあ、パンクみたいな感じなのかなあと思います。前の世代や文化への反抗。
象徴的な作品の一つは「イージーライダー」(1969)(これも見ておくべきなやつ。ステッペンウルフの主題歌「ワイルドでいこう!(BORN TO BE WILD)」は押さえておくやつ。邦題、すごいな。。)
ピーター・フォンダが製作なわけですが父親がヘンリー・フォンダなわけで、彼らの親子関係に落とし込んでもいけないけれど、結構いろいろあったそうで、ある意味わかりやすく、前の世代への反抗の象徴だったのかなと。
デニス・ホッパーとかジャック・ニコルソンとか重要なキャラも絡んできます。

とはいえ、「明日に向かって撃て」に話を戻すと、この映画のサントラは、バート・バカラックがやっていて全然パンクでもなく笑、ほのぼのした素敵な曲ばかりです。だから、これもちょっとした違和感も含めての、時代感を感じる要因の一つなのかも。
そして挿入歌の「雨にぬれても」(原題: Raindrops Keep Fallin' on My Head)がとにかく超有名。歌は、B. J. トーマス。これは知ってなきゃいけないやつ。
この時代のアメリが映画は、流れ的には世界的なニューシネマの流れなんだろうけれど、やっぱりフランスのヌーヴェルヴァーグからの影響なのかなあとか試験に出そうなキーワードはちょっと知っておくといいかも。

ちなみに、インディーズ系の映画祭で有名なSundance Film Festival
ロバート・レッドフォード主催で、サンダンス・キッドという彼がこの映画で演じた役の名前に由来します。明日に向かって撃て!だと全くわからんですね^^’


*映画をメインに劇伴の音楽プロデューサーをやっています。
音楽打ち合わせの時には、具体的な映画のタイトルが飛び交うことが多いですが、作曲家にとっては生まれる前の映画なんていう場合も多く、
どこから手をつけていったらいいかわからないなんて話も聞くので
打ち合わせで実際に出た映画とかを(不定期に、、、)紹介していきます。


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