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ワードローブの森の中から(9)「キューバ・ハット」

 その日の気分次第でキャップやハットをかぶります。夏場になると、ここ数年はキューバ・ハットにキューバン・シャツのスタイルが多くなりました。
 21世紀初頭まではキャップばかりでしたが、この十年ほど、良さげなキューバ・ハットが目につくと買ってしまい、いま六つのキューバ・ハットがワードローブに寝ています。
 元々は、半パンのカーゴ・パンツにTシャツ、そしてメッシュ・キャップが夏の定番ファッションでしたが、2000年ごろから半袖開襟シャツに凝り始めました。すると、半袖開襟シャツにはキャップより、キューバ・ハットも似合うとやがて気づきました。
 週に一度はかぶりますが、快晴の日に限ります。キャップならちょっとした雨でも平気ですが、キューバ・ハットだと型崩れがしそうで怖いので、その日の天気予報を細かくチェックするのがとても大切です。
 さて、さらに問題は夜です。
 居酒屋で呑むならキャップ、バーだけで呑むならキューバ・ハットと決めています。居酒屋にキュー・ハットをかぶって行くと置き場に困りますが、私が行きつけのバーなら、入口にフックがありそこに引っ掛ければ良いわけです。
 夕陽がようやく傾いた夕暮れ。西陽を背に浴び、キューバ・ハットと開襟シャツで、バーへと向かっていると、心はハバナになります。アスファルトのうえのヘミングウェイ気取りですね。 中嶋雷太

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