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私の好きな映画のシーン(45)『ビッグ・フィッシュ』

 死期が迫るホラ吹きの父エドワード。そして、その話を訝る子供ウィル。エドワードの葬儀に現れた弔問客を見て…。あのシーンが好きです。すべてがホラ話だと思っていたが…。一人の男の人生は、人を楽しくさせ、多くの人に愛された人生でもあったわけです。ティム・バートン監督らしさが、満ち溢れている、心温まる映画です。
 「自分探し」映画は多々ありますが、父の人生を嫌々ながら読み解いた先に、一つの人生の送り方の素晴らしさを、淡々と描いた映画の最高峰の一作だとも思っています。
 父親と向き合うことは、恥ずかしさも伴い、難しいものです。この映画でも、その難しさをしっかり描いていますが、しっかり描くからこそ、ストーリーの骨が太くなり、奇妙な話が生き生きと広がり動きだします。
 もちろん、原作のダニエル・ウォレス『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』の完成度の高さもあるのだと思います。
 人生のダイナミズムを描いた小説、そして映画を、もっと楽しみたいものですね。私も頑張って書かねば。中嶋雷太

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