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音楽があれば(11)「ビートルズ・赤盤と青盤」

 生まれた年により、十代で大きな影響を受ける音楽も見事に異なるようです。私の場合、中学生になり深夜ラジオを聴き洋楽のL.P.を買い始め、どっぷりロックの世界に入っていきました。が、その時は既にビートルズは解散しており、有名な楽曲はいくつか知ってはいましたが、ビートルズではなくジョン・レノン個人の楽曲に魅せられていました。最初に魅せられたのは「イマジン」で、発売から数年経過していましたが、買ったばかりのギターで、懸命にコードを抑え歌っていました。
 ビートルズのL.P.をようやく買ったのが1985年ごろ。その5年前の1980年にジョン・レノンが射殺され、ジョン・レノンの楽曲さえ過去へと過ぎ去りかけていました。そんな頃、レンタル・ビデオ店がどんどん広がっており、映画『イエロー・サブマリン』に出会うことになり、それがきっかけで、「ビートルズ・赤盤と青盤」をじっくり聴くことになりました。
 現在のように、有料放送もオンデマンドもない、テレビ放送以外で自宅で映画を楽しむなら、レンタル・ビデオ店に行くしか手はありませんでした。小学生低学年の頃からテレビで洋画を楽しんできた私にとっては、レンタル・ビデオ店は宝の山となり、これまで楽しんだ洋画を片っ端からむしゃぶりつくように、週末にレンタルしては夜通しで数作見るという日々に浸っていました。そこで出会ったのがビートルズの映画「イエロー・サブマリン」でした。そして、それがきっかけで、改めてビートルズの楽曲に接することになりました。さらに、彼らの音楽だけでなく、ビートルズの登場が世界のカルチャーを大きく揺れ動かし社会的インパクトを与えたことも、彼らについての本などで知ることになりました。
 現在も、ドライブに出かけるときは、iTuneではなく、わざわざ「ビートルズ・赤盤と青盤」のCDをかけては彼らの楽曲を口ずさんでいます。何故だか、iTuneじゃなくCDで聴きたくなります。半世紀以上を超えても、彼らの楽曲はノスタルジーではなく、しっかり音符が跳ね、生きている感じがします。中嶋雷太

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