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ビーチ・カントリー・マン・ダイアリー(8):「大雪が明け…東風が吹く」

 昨日は午後から雪が降り続き、湘南・片瀬東浜を白雪が覆い、海に気嵐(けあらし)がたっていた。気嵐は数年前の真冬の津軽旅行以来で、浜辺に立つとあの日の情景が浮かんできて、時空のねじれを彷徨っていました。
 そして今日。夕暮れには寒風もおさまり、雲間から太陽の薄陽が溢れ落ちていました。地熱を溜めていたからなのか、砂浜の雪はみごとに消え、海は鈍色に輝いていました。この澄み切った空気は、雪が大気の塵をすべてその身にまとってくれたおかげだろうと、肺を膨らませると、春を感じる私がいました。
 大雪が明け春を感じるとは気が早いかもしれませんが、季節は確かに動いています。二四節気では立春。七二候では東風解凍。東風解凍の読みは「はるかぜこおりをとく)です。中国の唐の時代の長慶宣明暦を起源とする七二候ですから、長安で吹いていた東風は、まさに「はるかぜ」だったのでしょう。今日の夕暮れは弱い北風が吹いていましたが、方角ではなく、私は確かに「はるかぜ」を感じていました。
 週末は立春の次候「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」です。さて、この黄鶯睍睆を何から感じられるのか、楽しみです。中嶋雷太

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