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マイ・ライフ・サイエンス(38)「暑熱順化と寒冷順化」

 9月半ばだというのに日没後も30度近い気温のままで、秋が待ち遠しい日々が続きます。
 雨さえ降っていなければ夕暮れになると近くの浜辺でカフェタイムを楽しんでおり、この夏もあいも変わらずほぼ毎日暮れゆく浜辺を楽しんでいました。そして、今日もまた、白く透き通った月を天空に眺めながら、コンビニで買ったアイスコーヒーを楽しんでいたのですが…。いつもと調子が違うことに気づきました。
 浜辺に吹く風は南西の秒速8メートル。砂浜の表面を流れる砂つぶが時々頬に当たっていました。外洋から押し寄せるうねりも強風に煽られ白波をたてていました。
 そして、これまでなら汗だくになっていたのですが…気温30度で南方向から風が吹いているのにも関わらず、汗の一滴もかいていませんでした。気温30度といえば真夏日。25度以上でも夏日といわれているので、私は真夏の気温の空気にさらされていたのですが、汗の一滴もかいておらず、南西から吹く風を気持ち良いとさえ感じていたわけです。天気予報などで使われる暑熱順化をすでに終え、暑さに対応できる身体を持っている私がそこにいました。暑熱順化の実感とでもいえば良いのでしょう。
 さて、季節がこのままならばそれはそれで良いのですが、来週あたりから夏日はなくなり秋へと季節は変わってゆくはずですから、それはそれで忙しい話です。春は暑熱順化の準備の季節とするならば、秋は寒冷順化の準備の季節になります。
 ちなみに、気象庁によれば、「冬日は日最低気温が0度未満の日、真冬日は日最高気温が0度未満の日」のことを言うそうです。25度以上を夏日ということを考えると、25度>X>0度の「X」の日は何と呼べば良いのでしょうね、とくだらぬことを考えてしまいます。
 例えば「気温順化日」とでも言えば良いのかもしれませんね。春日とか秋日の方が季節感が溢れ情緒深いものですが、気温で区切りたい気象庁的な発想では、「気温順化日」の方が適しているのかもしれません。
 だらだらと綴ってきましたが、ヒトという動物は恒温動物として、暑熱順化や寒冷順化を毎年繰り返すことで、身体の細胞を活性化させ新陳代謝という生物活動を行っているのですね。と、秋空の満月が恋しい私です。中嶋雷太

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