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私の好きな映画のシーン(10)「シャイニング」

Raita Nakashima/中嶋雷太

 梅雨が明け夏日が照りつけているので、前回に引き続きホラー映画を取り上げます。
 スティーヴン・キングの小説「シャイニング」が出版されたのが1977年で、映画の日本公開は1980年12月。たまたまですが、私は映画化前に原作を読んでいました。
 原作を読んでから劇場に足を運んで映画を観るのも楽しいもので、原作でイメージし辛かった(私の英語解釈力の限界もあり)シーンの数々が映像で「なるほど」となったり、「こんなシーンあったかな」と、楽しみが何倍にも膨れあがります。
 映画『シャイニング』は、流石スタンリー・キューブリック監督だと唸らされるシーンが満載ですが、最終番、壁に掛けられた写真にカメラが寄ると、主人公ジャック・トランスがタキシード姿で写真のなかで笑みを浮かべているシーンは、忘れられません。
 主人公を取りこんだオーバールック・ホテルの「怪」を、見事にシンプルかつ雄弁に描いたシーンです。
 起承転結の「結」を描く象徴として傑作のシーンだと思いますが、象徴的であるがゆえに、観客にその後もその象徴を読みこむ楽しみを残してくれています。
 懇切丁寧で説明過多な「結」もスナック菓子的には気楽でしょうが、観客に委ねる象徴的な「結」は、何十年たっても、また観ようとなり、観客としての楽しみが続き嬉しいものです。
 1980年12月に初めてこの映画を観てから40年以上経過しましたが、今でも繰り返し観たい映画なのは、その「結」を観客の想像力に委ねてくれているからだと思います。
 梅雨も明け、強烈な真夏の日差しの下、真冬のオーバールック・ホテルを訪ねようかと思っています。先ずは、原作から。
 中嶋雷太

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