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ワードローブの森の中から(19)「スプリング・コートではなく…」

 あとひと月もすれば、裏地がなく綿100%のコートを羽織ると思いますが、人はそれをスプリング・コートと呼びたがります。けれど秋にも着るのでオータム・コートでも良いのではないかとも思う私です。薄手のコートという呼称もありますが、なんとなく小馬鹿にしたようなニュアンスも感じてしまい、しっくり馴染みません。ステンカラー・コートが一番腑に落ちますが、唇の発音がいまいち馴染まなくて困っています。たぶんステンという音が嫌いなせいかもしれません。
 さて、このコートを何と呼べば良いのか問題は未解決のままなので、ここではとりあえずライト・コートと呼ばせていただきます。軽いコートな感じです。「ステンカラー・コートで良いではないか!」との声も聞こえてきそうですが、その音がどうもダメな私ですので、怒らないでください。
 さて、メンズに限るとは思いますが、色目鮮やかなメンズ用のライト・コートを過去何十年も探してきましたが、なかなか納得できるものがなく、そもそもメンズの場合、デザインや色や種類が限られているのもあり、ま、黒かグレーで良いかなぁと諦めていたときに出会ったのがこのライト・ブルーのライト・コートで、確かBeamsのものだったはずです。さて、このライト・ブルーのライト・コートですが、それ自体はとても気に入ってはいますが、下に履くパンツと上に着るシャツ選びがとても難しいのに、購入後気づきました。
 普通のデニムだと青系と青系でいまいちですし、黒ではこのライト・コートの青みが浮き立つ等……。最終的に行きついたのが、かなり履きこんだデニムや少し濃い目のグレーのパンツでした。中に着るシャツも、ロンTでは収まりが悪いのでシャツ系なのですが、色々模索しつつ、明るめの花柄のシャツに落ち着きました。靴は、カジュアルならニューバランスのグレーの定番。少し背伸びするときは、コールハンとナイキがコラボした黒の革靴(靴底が青色)に決めています。
 あとひと月もすれば、このライト・コートを羽織るでしょうが、一年でひと月着られるかどうかの運命です。眩い秋の日差しの下で映えるライト・ブルーのライト・コートは初秋が一番です。儚さを纏う日々が間もなく訪れるなと、笑みを浮かべながら、ワードローブをごそごそ探るのも秋の風物詩となりました。中嶋雷太

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