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ワードローブの森の中から(29)「厳冬期のスタイル」

 写真は厳冬期の北海道大学校舎内、あの有名な銀杏並木で撮ったものです。
 札幌駅北口からおよそ500メートル歩くと北海道大学の校舎に着きます。最初は良いのですが、校舎に近づくと徐々に根雪は深まり、校舎内に入ると場所により数十センチの根雪が足元を襲います。(余計なところを歩こうとするからですが)
 ここ十年ほど、いくつか考えている物語の為の取材で、厳冬期になると北海道や青森を訪ねており、北の国での厳冬期コーディネートをあれこれ模索してきました。
 地元の方々には笑われるかと思いますが、軟弱な冬に慣れた東京在住者にとっては、あれこれ試行錯誤するわけです。
 頭から足元までは、毛糸の帽子、サングラス、ロングのダウンコート、暖パン系のデニムにスノーブーツとなりますが、その下に着用するものが難しいのです。着込み過ぎると汗をかいて、その汗が冷えてしまいます。
 以前、厳冬期のアラスカ訪問時、ラクダのシャツとパッチがベストだったのを思い出し、綿100%の下着を肌着としていました。
 その地に住む、地元の方々の生活とは異なり、ホテル住まいの観光客としては、4〜5泊ですが小型のキャリーケースに納めたいので、かさ張る冬用の衣服は選択が難しいものです。シュリンク袋を多用し、プシュプシュしては、「あ、やっぱり、これはやめておこう」とやり直しを重ねるわけですね。
 未だに、厳冬期の北国行の衣服選びの解は見つからないのですが、それはそれ、プシュプシュしながら、スタイルを模索する時間もまた、楽しいものでもあります。
 ちなみに、羽田空港から千歳空港まではかさ張るのでスノーブーツなのですが、ホテル内やホテル近くのカフェなどで履く、中がファーになっているモカシンは、必ずキャリーケースに忍ばせています。あれは重宝しています。中嶋雷太

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