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ワードローブの森の中から(57)「PINKのTシャツ」

 サラリーマンの時の服装は基本的にはトラッド系で、以前noteにも綴ったとおり、ブルックスブラザーズが好きで、ボタンダウンの白シャツに綿パンに紺色のブレザーというのが基本パターンでした。冬場はバーバリーのトレンチコートをよく羽織っていました。プライベートでは、どちらかというと1970年代に流行ったヘビーデューティー系の服装が多かったように思います。
 我がワードローブには、そうしたメンズ・ファッションの衣服が並んでいるわけですが、一方で、どこか飽きたらないところがあります。
 大雑把に言えば、メンズのデザインの多くが四角っぽく、肩肘張ったものが多いようです。それはそれで好きなのですが、一方で、柔らかなラインやデザインのものに憧れてもいます。さりとて、メンズ系のブランドではなかなか良いデザインのものがなく、デザイナーのモード哲学にはどうやら男性の服は四角形で構成されるべきだとでも言えそうな考えが根強くあるようです。
 それに比べて、レディースのデザインはかなり多岐に渡るモード哲学があるようで、たまにファスト・ファッションのお店に行くと、レディースのコーナーにも顔を出し、そのデザインの多様性を楽しんでいます。
 とはいえ、メンズでXLサイズの私ですからたとえレディースので気にいったものがあってもサイズが合うわけがなく、目で楽しんで終わることになります。
 ところが、L.A.在住時に見つけたPINKというティーンエージャー向けのポップなブランドチェーンは、話が違っていました。アメリカのティーンエージャー向けのお店なのですが、アメリカ女性のXLサイズだと、たまに私でもピタリと身体に合うことが分かりました。これまでのところTシャツのみですが、L.A.やN.Y.やハワイに行くと、PINKのお店に立ち寄り、Tシャツコーナーを覗いて気に入ったものを買うのが楽しみの一つとなっています。
 四角形モード哲学などのない、ポップな女子のティーンエージャー向けのお店なので、柔らかなフォルムや自由自在のデザイン、そして多様な色目や素材は、開放感に溢れてています。しかも安い!
 写真のTシャツは、その中でもお気に入りのTシャツで、かなり着古した感はありますが、10年経っても楽しく着られるものです。
 四角形モード哲学はそれはそれで楽しいのですが、たまには自由形モード哲学も楽しめば良いわけです。
 そうそう、PINKは、女性用のランジェリー店Victoria Secret傘下のブランドで、GAPのOld NavyやAbercrombie&FitchのHOLLISTERのような位置付けのブランドで、L.A.で初めて入店したときはどこかに罪悪感がありましたが、L.A.では意外と普通に男性も入店していたので、罪悪感などどこかに消えてゆきました。女性をターゲットにしたお店に初めて入るのは、やはり勇気がいるものですが、良いデザインのものに出会えると思うと…。中嶋雷太

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