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「不確かな確信」と「気持ち悪い言葉」

※こちらは筆者の内面世界を書いておりますが、人によってはかなり不快に感じる方もいらっしゃるかもしれません。ネガティブ感情が苦手な方はご注意ください。


2020年11月の私は自分の中に棲む「エゴ」という名の化け物に喰いつくされようとしていた。あちこちが痛み、出血し、骨折していた。その状態にもかかわらず、日常を今までと何ら変わらないように過ごそうとしていた。気がつかないふりをしていた。


相変わらずの日常。何の変化もない日常。しかし私は「宇宙の法則」という新しいアイテムを手に入れていた。

「ワクワクすることをせよ」というバシャールの神髄に基づいて、内省する時間が増えていった。

私は、本当は何がしたいのか。

何をしている時が一番楽しいのか。ワクワクするのか。

どんな時に一番心が躍るのか。興奮するのか。喜びに満たされるのか。

そんなことを毎日考えていた。

読書は、私が幼いころからずっと続けてきた大切なもので、本を読むことは確かにたのしい。だが、「時間を忘れてぼっとうするか?」と言われると、胸を張ってYesと言えない自分がいることに、薄々気が付いてはいた。

出口治明先生や齋藤孝先生のように読書をすることは私にはできなかったのだ。同じように文章を書くことも私が最も大切にしていることだ。こちらは気分がノッていれば確かに時間を忘れて書き続けられる。良い文章が書けた時の達成感、満足感は何とも形容しがたい心地よさだ。

しかし、時間が少しでも空けば文章を書いているかと言われたら、そこまでしているわけではない。だからと言って書くことを否定するつもりは毛頭ないが、自分の中から書きたくて書きたくてたまらない、居ても立ってもいられない、という気持ちになることは、恥ずかしながら、年間を通しても本の数日という程度なのだ。このnoteの更新頻度からもそれは明らかで、毎日記事を書いているクリエイターさんが居る中で、私は本当に書くことが好きなのか?と自問自答する日々だ。


私が、「時間が少しでもあれば自然にやってしまうこと」「そのことばかり考えてしまうこと」「時間も状況も忘れて没頭してしまうこと」は何か?と言えば、それは中丸雄一氏のことを考えることなのだった。そして「彼のブログにどんなお便りを送ろう?」ということ、その時思っている気持ち、考えを「まっすぐ、自分らしく」伝えるにはどうすればいいか?ということ。それのみだということに気が付いたのだ。

10月に彼がハマっている動画制作に関して、動画企画案を募集された時、自分でも驚くほどの勢いで一瞬にして大量の案を思いついた時のワクワク感が忘れられない。まるで頭の上にたらいがあって、その中に企画案がたっぷりと入っており、一気に頭上から浴びせかけられたかのように案が降ってきた。

送るのが楽しくて楽しくて、仕方なかった。

『彼は、それをきっと楽しんでくれる。』

なぜだかわからないが、そんな確信があった。絶対に楽しんでくれているはずだ、と。

だが当然ながらそれは独りよがりの考えである可能性は否定できない。彼が本当はどう思っているのか確かめるすべはないのだ。

例えばお便りを紹介してもらえたり、自分の送った企画案を採用した動画をUPしてくれるといった目に見えるものが何かあれば、独りよがりの確信は本当の確信に変わるのに。

その期待すべき現実は、11月になっても、そして12月になっても、一向におとずれなかったのだ。

「不確かな確信」という言葉が一番しっくりくると今では思う。

「不確かな確信」は「確信」なのだから本来は何も心配することはないのだ。だが「不確か」であるがゆえに、その「不確かさ」にばかり気がいって、私はこともあろうに、自分と相手を責めだしたのだった。

私が自分の今の生活すべての中で一番大切にしていることが、実はまったく届いていないのかもしれない。響いていないのかもしれない。悲しい。どうして?どうして……?

そう自分に問いかけた時、

「私は」「こんなに」。

その言葉が沸いてきた。


自分が気持ち悪くて仕方なかった。

「私は」「こんなに」。

その後にどんな言葉を続けるつもり?

「やめて言わないで」という抵抗もむなしく、エゴという名の化け物のけたたましい咆哮が聞こえた。

死んでも聞きたくなかった化け物の言葉は、いつまでもいつまでも私の中でこだましていた。やめてくれ、聞きたくない。聞きたくない、そんな気持ち悪い言葉。


私は自分の中から湧き出る言葉を必死で否定することで、自分自身を傷つけていることに気が付かなかった。

どんどん開いていく傷口に、止まらない出血。にもかかわらず私がとる行動といえば、傷口をさらに広げる事だけ。

12月に私が力尽きるのは、当然のことだった。

続く。

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