見出し画像

ケガとブランクとパフォーマンスと

♪恋(いと)しさと せつなさと 心強さと
いつも感じている あなたへと向かって♪
 
1994年にリリースされた篠原涼子さんのシングルCDで、ダブルミリオンを達成した大ヒット曲です。
 
そして、スポーツの競技者がいつも感じているのが、ケガとブランクとパフォーマンスだと思います。
 
このnoteを書いている現在、パリオリンピックが開催されていますが、どこもケガがない状態で出場している選手はいないと思います。
―そんなに甘い世界ではないからです―
 
金メダル候補とされていました柔道の阿部詩選手に関しては、
バルセロナ五輪・銀メダリストの溝口紀子氏が語っています。
「(阿部選手は)東京五輪後の21年秋に両肩の手術をしましたが、回復期間をとれないまま同年10月の全日本選抜体重別選手権に出場していた。昨年秋には腰痛も患っており、満身創痍の状態だったのです」と。
 
では、もしケガがなければ金メダルをとれたのか…というと、
私はそうとも思えません。
―そんなに甘い世界ではないからです―
 
私自身も、競技者として空手を再開しました。
そして再開して3ヵ月の間にも、両足を打撲により損傷し、走ることが難しいときがありました。
また、肋骨はくしゃみをするたびに痛みが伴い、手の中指を骨折することもありました。
 
競技者に対し、世間の人は
「"ゆっくり"ケガを治してからがんばろう」
と建前で労います。
しかし、競技者にとっては、できるだけブランクをつくる訳にはいきません。
ブランクとは、その競技において勝つための練習をしないことです。
そして、勝つための練習とは、本番の試合と同様な練習です。
 
柔道であれば乱取り、
空手であればスパーリング、
サッカーであればフルピッチのゲーム。
当然ながら、素振りやシュートなどの基本練習をいくらやっても、試合に勝つことはできません。
 
また、勝つための練習は本番と同様ですから、ケガを無くすことも困難です。
そして、競技者は『ケガはケガとして引き受けて、勝つための練習を続ける』ことで、パフォーマンスを向上させていきます。
 
試合に負けたとき、ケガを理由にする競技者がいないのは、このような事情だと思います。
 
でも、だからこそ、
特にトップアスリートには、
現役のうちに一度くらい、
全くケガのない状態で試合をさせてあげたいと願ってしまいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?