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せめてファンとアスリートの中間の立場から

地球上の誰かがふと思った
『人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずにすむだろうか……』
 
漫画「寄生獣」の出だしのことばです。
物語は、宇宙からヘビのような生物が多数飛来し、耳や鼻から人間の脳に侵入します。
脳へ侵入された人間は寄生生物(パラサイト)となり、人間的な感情や思考を失います。そして、頭部を鋭利な刃物などに自由に変形させ、人間を捕食する本能を持つようになります。

主人公(泉新一)は、偶然に脳への侵入をのがれますが、右腕に侵入(寄生)されてしまいます。
このため、主人公の人格はそのまま、右腕のみ別生物(パラサイト)という稀有な存在となり、お互いのことを理解し合いながら、協働して自分たちの身体(生命)を守る戦いが始まって行きます。
 
さて、私はふと思うことがありました。
『サッカーの競技者の多くがツエーゲン金沢の試合を観にくれば、スタジアムはいつも満員になるのではないだろうか……』

ツエーゲン金沢とは、石川県をホームタウンとするプロサッカーチームです。
また、石川県のサッカーの競技人口は小・中・高校生、大学生、社会人ととても多いです。
しかし、サッカー競技者のほとんどはスタジアムに足を運びません。
サッカーが好きなはずなのに…、
サッカーが別格に上手い選手たちを観られるのに…。

なぜ、観に来ないのでしょうか?
サッカーの競技者になったことがない私ですら、スタジアムで観ていて、胸が熱くなり感動するのに…。
 
話を「寄生獣」に戻しますと、物語の重要な登場人物に“浦上”がいます。
“浦上”は大量殺人犯で、人を殺すことが人間の本能と感じています。
“浦上”は主人公に問いかけます。
俺こそが人間の本質だと。
「せめて人間と寄生生物(バケモン)の中間の立場からひとつたのむワ」と…。
ネタバレになるので、ここで主人公の返答は書きませんが。
 
私はスタジアムで直にサッカーを観戦し、感動できる人はサッカーの本質を見ている人だと感じます。
そして、多くのサッカー競技者に問いたくなります。
なぜ、観に来ないのでしょうか?
「せめてファン(非競技者)とアスリート(プロ)の中間の立場からひとつたのむワ」と。


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