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リュック派

普段使いの鞄が買い替え時だ。

私はリュック愛用者である。
やや小ぶりのものと、通勤にも使える中くらいのものを使っている。
普段使いをリュックにするようになってから四半世紀は経つ。
幼い娘ふたりを連れて歩くと、手を繋いだり抱っこしたりとどうしても両手がふさがることが多くなり、出産後、必然的にリュックを選ぶようになった。

あまりに長らく愛用しているので、新しく買い替えるときにも、リュックにしか目がいかない。娘はすでに成人し、もはや誰も手を繋いでもくれなければ、抱っこをせがまれることもないというのに。

両手が空いて便利、という以外にも理由はある。
片手で持つ鞄はどうしても片方の肩に負担がかかり、姿勢の癖に繋がるために、両肩で均等に持つリュックに引き寄せられてしまう。
そのまま旅にも持っていくことができるし、普段からよく歩く私にはもってこいの鞄なのだ。

ただ、欠点もある。
混んでいる乗り物ではいちいち降ろす必要があるし、座るにしても背負ったままでは座れない。乗り物移動が多いときにはちょっと面倒だなと感じることもある。
とはいえ、普段は滅多に乗らないので思う頻度は少ない。

基本PUレザーや本革製品で年相応にカジュアルすぎないものを選んでいるけれど、それでもフォーマルな場には合わない気がして鞄を変える必要性が発生する。
とはいえ、そんな機会も年に数える程度しかない。

というわけで普段使いはリュックに落ち着く。
機能的にも利便性も私にとっては申し分ない。
一番の理由は「楽ちん」で、だからこそ離れられない。
でもある日、この「楽ちん」に関して、けっこう有名な作家さんの、高齢者の集まりは皆リュックでああはなりたくない、というような一文を見つけて衝撃を受けた。

私は、そう年をとっていない20代の頃から使用しているが、徐々に年は重ねているし、近づいているとも言える。ほんの少し凹んだけれど、すぐに開き直る。

まあ人それぞれだし。四半世紀も愛用してきたのだし。
気にしても仕方がないので、楽ちん万歳、両手があく便利さを選んでますけれど何か、と図太く生きるしかない。堂々とこれからもリュック愛好家でいようと思っている。

というわけで、結局また新しい鞄としてリュックを探す日々を送っている。
どこかに今のリュックを越える、使い勝手と可愛らしさと格好よさを兼ね備えたものはないかしら。



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