見出し画像

難しい【思春期に重なる反抗期の対応】我が家の出来事から

昼休み、思春期の子どもを持つ母達が親子喧嘩について話しているのを、我が家もあったな、と微笑ましく聞いていた。
当事者たちは真剣で、まったく微笑ましくなんてないのだろうけれど。

ちょっと真面目な話をすると、思春期とは11歳頃から17歳頃までの心身ともに子どもから大人への移行の時期のことである。
子どもの体から大人の体への成熟を迎え、ホルモンバランスに変化があったり、精神的にも不安定になりやすい時期。同時に第2反抗期の時期と重なる。第2反抗期は自我の確立期で、親から離れ自立をしたいという欲求が出てきて、内面では葛藤している時期。

私もだが、頭では理解していても親だって葛藤しているのだ。
対応に苦慮している人も多いのではないだろうか。

以下は、娘が高校に入ったころの出来事を当時の私が書いたものだ。そのまま載せようと思う。

🖊

泣きはらした目で起きてきた。

些細な事でぶつかり合うのを、ただの反抗期という言葉で片づけていいものかと思い、昨日はついついこちらも熱くなってしまった。
いや、普段は明るく話すし、たまに反抗的なのは思春期の不安定さなのだろうか。

そんな葛藤は横に置いて、とりあえず「おはよう」と声をかけてみるけれども、ちらりとこちらを見ただけの挨拶(といっていいのか)で通り過ぎた。

昨日、部屋の片付けについて声をかけた。
叱ってはいないし、普通のの声掛けだった。
普段から散らかり放題なので、今までも何度か声をかけているし、それと同じだったけれども、昨日は虫の居所が悪かったのだろうか。
睨みつけ、舌打ちした。
「舌打ちなんてするもんじゃないよ」と違うことで注意することになった。
更に娘は不機嫌になる。泣いて何やら逆に怒りだす。
最初の声掛けから遠く離れたことで議論していると、ほとほと疲れて、とにかく部屋だけ片付けてねと言い終わらせた。

昨日の余力は私にはなく、泣きはらした顔を見ても、これ以上は何も言うまいと思う。
結局、言葉を発することなく彼女は学校へ行った。
その日の夜、いつもの帰宅時間を過ぎても帰ってこなかった。
「今、どこ?」とメールを送ると、送信できませんでした、の文字が繰り返される。何かあったのだろうかと心配が募っていく。
ケンカのあとだし、もしかして家出?事故?事件?警察に電話しようかと本気で悩む。ひとりオロオロ悩む。

それとも、わざと連絡をつけないようにしているのだろうか。
先日、友達がプチ家出といって連絡せずに食事したりして遅くに帰ったという話をしていた。それと同じことをしているのだろうか。

とりあえず駅前のショッピングセンターが閉店する時間までは、とひとりオロオロあれやこれや考えながら待っていると玄関が開いた。
「ただいまー」と元気な声までしている。
大変機嫌が良いらしい。一気に力が抜けていく。

大人を睨みつけていても、陰で怯えていることもあるだろう。数分前の私のように。人生思い通りにいかないことばかりだし。
それでも今笑って話せる時間は素晴らしい。
「携帯、繋がらなかったよ」と声をかけると「充電なくなったから」とけろりと答える。
そういえば昨夜、本筋から脱線して泣きわめいて怒っていた娘に「部屋を片付けてからにしなさい」と充電させなかったのは私であった。我ながら呆れる。
娘の話にうなずきながら、黙って充電器を渡す。
お互いに、ごめんを言いそびれていても、親子はひとつ屋根の下で眠って、明日を一緒に始めるのである。なんて幸せなこと。

充電はさせよう。今も部屋は散らかったままだけれど。

🖊


自分で書いていて、突っ込みどころ満載である。
こんなダメ親っぷりを何度も何度も繰り返して反省して、それでも気持ちと行動が伴わなくて、また繰り返して。
出来るだけ娘と無益な衝突は避けようと思ってはいても、あまりに理不尽な態度の時は容認できないし、そこの折り合いをつけるのは大変だった。つい口が出てしまうことは、ある。

第2期反抗期は、心の自立をしようとしていて、親と距離を置くことで大人になろうとしているので、そのため細かに何でも聞いたりしないほうがいいようだ。
確かこの日の私も、どうして遅くなったのかは問わなかったはずだ。でも詮索はしないけれども、きちんと見守っているよオーラは必要だと思う。
詮索しないというのは放っておくのではなくて子どもを信頼するということ。そして子どもがいざ頼りたいと思う時にしっかり頼れる存在であること。
わかっていても、時には熱くなった。
だって我が子なんだもの。

でも、そんなダメっぷりも経験しながら、親子の関係を見つめていければいいのかな、と今になって思う。
ケンカしながらも同じ家で一緒に眠って同じ朝を過ごす。その幸せを感じられる時間は貴重だ。
子どもは心身だけでなく、経済的にも自立していつかは親元を旅立つ日がやってくるのだから。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?