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ブランクと再就職

日本の企業はブランクに厳しい。

私が就職活動をはじめて約1か月、日々実感することだ。

4年前、社会人経験も浅いまま仕事を辞め帯同することを決めた私に声を掛ける事ができるなら、なんと言うだろう。言いたいことは山ほどある。

海外で生活したこと、帯同したことは私にとって貴重な経験だ。代えがたい人生の財産だと思う。

しかし、日本で仕事をするにあたっては何にもならない。

ただの「ブランク」でしかないのだ。


そう考えると空しい。

一度社会の凡そが歩むレールを外れると、復帰できないのか。中途採用には即戦力が求められる。仕事をしていない期間があるというディスアドバンテージは、元駐在妻の就活に重い足枷となって現れる。

「離職中」という文字ひとつで、ふるいから落とされる。


夫が海外に行けるほどの企業なんだから、働かなくてもいいんでしょ


そんな声も聞こえる(気がする)
それでも夫は夫、私には私の人生だってある。
海外在住中は夫の収入に頼るしかなくても、日本では周りと同じく自分の足で立てる強さを持っていたい。
それにこの先同じ企業に居るのかも分からない夫に家計の負担を全て強いたくない思いもある。


自分の周りが社会復帰に期待してくれる声と、実際の企業の態度はかけ離れている。
自分をよく知ってくれる友人の励ましの声と、お見送りメールの数は同じくらい。


駐在妻の人にも、仕事の話を聞いて回っていた。
もとの仕事を休職していた人、会社に優遇を利かせてもらい時差の中働いていた人もいたが、ほとんどは専業主婦か派遣をされていたようだった。


もちろん考え方はみんな違うのでどれが正解などはない。
ただ、駐在妻の皆さんはお仕事も優秀なのだろうなという方が多く、ブランクを許さず社会復帰できないシステムが日本にあるのだとすると損失のように思える。

恐らく駐在妻だけでなく、仕事を辞めざるを得なかったすべての人がそうなのだろう。

海外駐在がある企業は妻の就業を認め、その他日本企業も帯同休暇等の制度導入を検討してほしいとつくづく感じている。

私はもう手遅れなので今の状況で足掻くしかない。

自分のキャリアをどう描いていくか、ただでさえ通常の社会のルートからそれ、ロールモデルの少ない中で考えるのは正直しんどい。

子どもの問題もある。
仕事、子ども、なぜ全部が一気に圧し掛かってくるのか。


夫にはやりたいことをしてほしい、と言って「いい奥さんだね」と言われることがあった。
いい奥さんぶろうとした訳でもなく、間違いなく本心だったが
ずっと「自分のやりたいこと」はずっと二の次だと考えないようにしていた。
ただひたすら海外で夫の生活を助ける事をやりがいにして、無視していたのだ。

でも帰国して、「やりたいこと」をはじめようと思ったら、想像以上に選択肢が限られていた。


就職活動をしていて、選択肢が少なくても、それでもがむしゃらになんでも良いから働きたいわけではない、と思ってしまう。
甘いのは分かっているが、自分で決断して仕事を辞めて帯同したのだから、また仕事をするなら自分の納得する働き方をしたい。自分の人生のために。
自分が自分を見放したら駄目になってしまうと言い聞かせる日々だ。
それでもたまに、こんなブランクを認めない日本企業に属した働き方なんか辞めて、自由に働いて見返してやる!!(誰を)と思うときもある。

働き方は思っているより多様だということは前任地の日本人コミュニティで知った。
みんなのびのびと「仕事」より「どう生きるか」(最近某映画が話題ですね)を考えていて、その生き方を知ることができたのも帯同した経験の中の財産だと感じる。


私の人生や、如何に。

(再就職活動にあたっての発散でした)

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