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ガラガラぽんから始まる「誰も歩まない道を歩む」しかない、2022年のファイターズは。もしかしなくても、君たちにあるのは、希望だけだ!

 さて、2022年3月25日のプロ野球開幕を控え、シーズンオフから話題を独占していた形の新庄ファイターズ。オープン戦の結果はそこそこでしたが、そんなものは何の当てにもならないのは、長年のプロ野球ファンならみんなわかっていること。

日本一を果たした2016年を過ぎた2017年以降、栗山監督の野球は、それまでのファイターズらしいとされてきた「守り勝つ野球」から「打って勝つ野球」へ、よりスペクタクルな野球へと舵を切り替えていたと、わたしは、何度も書いてきました。

特に顕著だったのが、複数ポジション制で、色んな選手に試していました。
今シーズンは淺間くんがサードを守ったりしてますが、彼の場合は以前からだし、移籍してしまった大田泰示もサードに挑戦してたし、もともと内野手の松本剛、外野も内野も守るし、拳士もそうだし。

誰ともなくポジションを固定せず、出来るだけ多くの選手を起用して、誰もが参加して力を発揮できるー日本のプロ野球でもアメリカのメジャー野球でもなされたことのない、壮大な夢のような野球を目指しているーのではないか…。そう感じながら5年間、そのマロンなロマン野球は一度も成功することなく栗山監督は去っていったわけですが。

 そういう道筋で見てみると、今年のキャンプから新庄さんとファイターズの見せている野球ーガラポン抽選スタメン、複数のポジションを次々に変更といった態度は、別にサプライズでも奇策でもなく、これまでのファイターズが目指してきた野球の延長?進化系? とも見えるのです。

果たして「野手のポジションとは固定されていなければならない」のか。はたまた普段守っていない場所でも選手はプロ野球のレベルでプレーをこなせるものなのか? 

例えば、プロ野球で定説なのは、二遊間です。セカンドとショートは微妙な呼吸がとても大事だから固定されている方が良い。このポジションが決まってるチームは、強い。そう言われて来てるし、実際、ファイターズが強かった2006〜9年は、金子誠と田中賢介、2016年は、中島卓也と田中賢介とほぼほぼ固定されていました。
だがしかし、そうなっていたのは、長年ショート、セカンドに君臨した金子誠と田中賢介を追い抜き、追い落とす選手がいなかったからとも言えるし、彼らが突出して優れた選手だったからとも言える。

 天翔る野球の子、大谷翔平が去って以降、ここ数年のファイターズには、決定的に優れてると言える選手は、誠に残念ながら一人もいません。だけどだからと言って、決定的に力不足の選手もいない。
持てる選手の力をもって、なんとかして勝てるチームを作る。北の貧乏球団、北海道日本ハムファイターズにできることは、限られています。だからこそ、他のどこの誰もやろうとしないことにチャレンジも出来る(というよりするしかないのかもしれませんが)

ってまあ、こうは言ってみるものの、何の根拠もない居酒屋談義。新庄さんとファイターズがやろうとしてる野球とは何なのか、わたしごときにわかるはずもありませんが、しかしまた。

ガラポン抽選打線や不特定ポジション制は、やっぱりどうしようもなく足りない戦力をいかに相手にとって「よくわからない何か」にするための戦略?であり、故野村克也監督風に言えば「弱者の野球」の一例なのではないかとも思われるのです。

 そもそもは、弱者ファイターズにもそこそこやれそうな戦力はありました。球界最速のバッターになれるだろう五十幡亮汰。4番を打てる器、3割30本の夢がある野村ジェームス祐希。二人ともに怪我でいなくなり、チームをまとめるはずの杉谷拳士も太ももを故障、ここに来て、唯一計算できる主軸バッター近藤健介も古傷の膝が怪しくなり、経験豊富な元選手会長中島卓也も一軍に呼ばれることはない…。

弱者はますます弱者となりにけり…救いは、近年になく本気で獲得した外国出身選手、ヌニエスやアルカンタラのレベルが高く、やってくれそうな気配があるくらいですが、正直言って、誰が1番バッターだろうと4番だろうと大した変わりもないし、別に問題もない。だって誰もがほんとんどプロ野球での実績が、ない。つまりは誰がどういう実績を残すかは、これから決まるのですから。

誰も歩んだことない道を歩めー

野球の星からやってきた野球の子 大谷翔平にかけられた言葉は。
今や、この現時点での最弱球団北海道日本ハムファイターズにかけられる。

栗山英樹監督と同じく、一度も指導者としての経験もなく15年の空白を経て日本のプロ野球界に復帰した新庄剛志。
彼の監督としての能力もまた誰も知らない。

何もかもが「ない」ところから始まるファイターズにとって、チームの前にある道は、やっぱり「誰も歩んだことのない道」に、違いありません。

道の向こうには、希望だけがある
いや、「君たちの未来には可能性しかない」 by橋本治

「可能性しかない」とは「何もない」と同じ意味です。

何もない場所から。

さあ行こう。わたしたちのファイターズ。

その一歩から、全ては、始まる(多分、きっと)

文中敬称略















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