猫の話

シロちゃん、クロちゃん、ゆずる、ジロちゃん。清美ちゃん。チビ。
ヒカル。まーくん。みーちゃん。
二十歳のときから猫と暮らしていますが、若い頃は何もわからなくて、始めは去勢もしてなかったし。家の中にマーキングされまくって、外で交尾しまくって、近所から苦情がきて。

三毛猫の清美ちゃんは窓から勝手に入ってきて、シロちゃんと結婚し妊娠したが、産道が詰まって緊急手術。授乳期間が終わった4匹の子猫は動物病院が引き取ってくれた。そこまできて、やっと去勢手術をするようになった。

それでも一番可愛がっていたゆずは、病気の末期に病院に連れて行かず行方不明。動物病院からもらってきたヒカルは、7ヶ月で突然死。これも前日の夜に吐いていたのに病院は明日でいいやと放置した結果、次の日に死んでいた。とんでもなくいい加減な飼い主だった。

ここでわたしは初めて自分の責任だ。と痛感し、後悔した。

以来、病気っぽいとき、いつもと違うと思ったときはすぐに病院に連れていくようになった。赤トラのジロちゃんは、全く元気だったのが急にぐったりとなり。病院に連れていったけど、心臓肥大でいつどうなるかはわからないという診断だった。三日後ぐらいに冷たくなっていた。12歳だった。

一番最初に飼ったヨモのシロちゃんは口のガンになり、手術や治療を頑張ったけれど顔面が崩れ落ち、もう諦めなさい。猫が苦しむだけだから。とユゼ先生に言い渡され、筋肉弛緩剤を打たれた。わたしに両手を握られたシロちゃんは、暴れもせず。ゆっくりと動かなくなった。
 
突如として自分でも信じられないくらいの大声が、口から漏れて、わたしはまさしく号泣していた。号泣。

25か6になってたか。(驚くべきことに)それが、人生で初めての直接的な「死」の体験だった。

そして、この体験ー自分の手で生きている者を殺したーが、わたしを最も変化させ、あえて言えば成長させてくれたと、今でも思う。

死は現実であり、生もまた同じであると。
そのとき初めて、その愚かな娘は知ったのだった。

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