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「日本人の英語を変える!ポッドキャスト」
010.帰国子女の発音の悩み

音源はこちらから無料で聴けます。

今回お相手を務めていただくのは初田美紀子さんです。

初田さんは日本で臨床心理士の仕事をしています。
CROSSという社団を持っていて、そこで帰国子女と帰国子女を育てる両親の支援をしています。

初田さんには前の番組『ロンドン発英語よもやま話』の中で何度か特別ゲストとして登壇いただいて、お話をいくつか伺いました。


『ロンドン発英語よもやま話』初田さんの登場回はこちら:

079.帰国子女の支援活動のお話
080.日本で他言語を話す時のお話
081.言語学習と文化の理解についてのお話

時間の中では収まりきらないほど話題のある方で、すごい反響をもらいました!
熱が入ったすごくいいエピソードなのでぜひご視聴ください。

今回は帰国子女の悩みの中で「英語の発音が良いことで後ろ指さされることは何ですか?」というテーマでお話しします。

帰国子女だけじゃないかもしれませんが、英語の発音が良いことが「今の英語っぽく言っちゃったりなんかして」とかいうことで、英語の授業の時にヒソヒソ言われたりとか。

あとは帰国子女っていってもいろんな国の人がいるじゃないですか。

日本人なんだけど、行ってた国が色々だからアクセントが違ったりしますよね。
言葉もなんならどこにいたかによって違うわけですけど、帰国子女の中でグループ分けというか、カテゴリー分けがあるみたいなことを聞くんですよね。

カテゴリー分けはもうちょっと年齢が上がってからではないとわからない、と初田さん。

初田さんは5歳から8歳、ニューヨークの帰国子女で、ジングル・ベルなどの歌を歌っていた世代でした。なのでフレーズまで違いが分かるところまではいっていませんが、実際にはほぼほぼみんな帰国子女は英語にコンプレックスがある、とのことです。

コンプレックスもいた時期や個性によって違うかというと、いつの時代に行っていても完全なネイティブじゃないことを肌身で知っているので、いつまで経っても英語がネイティブではないと体験しているそうです。

いつも完璧じゃないってことをしているからこそ、途中で親の都合でしょうがなく帰ってくるところから止まっているのはいつもあって、英語が浦島太郎的に止まっているような状態。

初田さんの場合はポジティブ体験で、アメリカ人のいい人たちに囲まれて、もしくは自身が選んできた人が優しい人たちだったというのもあったようですが、お友達の中にはその時代が良くなくてアメリカ嫌いの人もいれば、初田さんより英語ができるのに「アメリカはいい思い出じゃなかった」という人もいるそうです。

なので捉え方はそれぞれですが、どっちにしろどっちの子もコンプレックスはあるようで、英語は完璧ではないということを日本人の純ジャパよりも知っている。

最初から英語が話せない人、っていう形成がその段階で定着していますもんね。

いきなり飛び込むので、英語を勉強しに行くだとか、何かを勉強するために英語を勉強してから渡るっていうのとまた違いますもんね。

親の都合で飛び込んでいるだけで、嫌な子もいるけど嫌ではない子もいる。

初田さんの場合は5歳だったので、ただ場所が変わってそこがたまたま異言語だっただけなので、それがプラスになるかマイナスになるのは向こうにいた先生の次第でもあるとのこと。

大体アメリカの場合は取り出し教育が早いので、初田さんの時代はいい思い出が多かったそうです。


今回のテーマの「帰ってきて英語の発音が良いことで…」というのにバッチリの初田さんのエピソード。

初田さんには3歳年上のお兄さんがいて、英語は彼のほうが上手いといのこと。

今は小学校から英語をやっていますが、当時・昭和は中1から英語が始まるので、お兄さんは当時小4の初田さんに家に帰ってきて「美紀子、大変だ。英語の時間は苦痛でしかない!」と一言。

「どうしたの?」と聞くと「いいか、今からよく聞け」と座らされ「この発音をやってみろ」と言われた文はI have a mapでした。

初田さんが娘さんの教科書を見た所、今は無くなっているようですが、昔はI have a mapから始まったそうです。

You can’t say “I have a map”. Just say アイハブアミャーップ.

とお兄さん。

来年から大学試験で発音記号は無くなるらしいですが、当時は発音記号をものすごく教えられたそうで、ミャーップのドーナッツのような無限大の表示をミャーと言わなければ怒られ、何度も言わされたたそうです。

「大変だ!」と言って血相を変えて帰ってきたお兄さんをいまだに忘れられない、と初田さん。「どうしたことだ3年後…」と思ったそうです。

初田さんの場合は親が厳しく、日本語が心配だったため、という理由もあり、日本語に徹するため英語を持続させなかったそうで、日本に適応してなんぼ、という感じだったそうです。


aとeがくっついている発音記号って、イギリス英語にはないんですよ。
あれはaになるんですよ。ちょっと伸ばしたa。
Mapとかもミャーップとは言わないで日本語のアに近い。
存在しないんですよ、あの音が。

あの教え方をしていた時代は苦痛だった、と初田さん。

私もI haveをアイヒャブというのはなんとかして欲しいと思っていましたね。

どの英語の先生もあの時代はそうだったそうです。

私の中1の時の先生は比較的発音の癖がない方だったんですが、もう1人の英語の先生は強烈でした。

ご本人がおっしゃっているのはいいけど、それを強制されるのが苦痛だった、と初田さん。

納得いかない発音はキリがないといえばキリがないですが、日本人のその上の先生にそうやって教わったのか、ネイティブの発音を聞いたとか、ラジオなどを聞いた時に、そういう風に解釈したんでしょうね。

大人になってから勉強すると日本人の耳がそういう風に判別する、というのもあります。

日本語は識別能力が一番低い言語だそうで、音の数などが少ないようです。

それだけ意識して取れない音があると思ってさえいれば色んな音が聞こえてくる耳になるのかな、と初田さん。

7歳神話のように、耳の感性が音域などを含めて、感性は7歳までが分岐点だと言いますが、何を持ってっていうところもあると思うんですよ、個人差もあるでしょうし。

習慣化するには21日なのか、66日なのかとか、半年とかすごい分かれる、みたいなことでそこでリミッターかける必要はないなとは確かに思うんですよ。

可能性は無限大ですからね。


例えば、なんとなく違うけど音にできない。発音に関して一つ悲劇があるなと思うのは、聞こえたら発音できるとは限らないじゃないですか。でもその逆はない。

作れたら聞こえると思うけど、聞こえても作れない可能性があるので。

やっぱり聞くことだけをやるというよりは、作って音を出すっていう練習もついでならしてしまったほうが、ちょっと負荷を足すだけでできるから。


発音するのは大事です。とにかく発する。

発して相手が「え?」って顔をするとそれでもうやる気がなくなるじゃないですか、英語に限らず。

「一生懸命やってるのに全然通じない!」みたいになると挫けるから、できるだけ成功体験を増やしてあげたらいいな、というのがあって。

発音っていうのは一回悪い癖がつくと unlearn 取っていくのが難しいけど、不可能じゃない。なのでできれば癖がつく前にそれを正しい発音に。

その後で何年も経って色々癖がついていても、それを一つ一つ丁寧に取っていくことで癖のない英語、癖の少ない英語にしていくとわかってもらいやすいですよね。


最初はとにかく発しないと、癖があるのかないのかもわからないですからね。

自分で思って、こういう音で言ってるつもりが全然その音になってないとかいうこともあると思う。

「あれ?なんか通じなかった。勘違いされちゃった。注文したものと違う物が出てきた。」ってよく聞くじゃないですか。

Cokeって頼んだらコーヒー出てきたって…どうやったらコーヒーになるんだっていう。

言語は悔しいって思うのも大事ですからね。そこがバネにできればいいですね。

ことごとく通じないとやめようかなって気になるけど、大丈夫。
コーラが出てくるまで頑張りましょう!


これは私の仮説ですけど、cokeのOって二重母音なんですけど、それが原因かなと。
でもなんでコーヒーになったのかな?

うちの旦那がDurhamとかNewcastleの北の方の発音なんですけど、二重母音にならないですよ。Cakeとかも。

ちょっと違いますよね。日本語のカタカナで書いたのを伸ばした音、そのまんまで発音していますよ。だから同じ英語の中でも随分違うんで。

Cokeは2番目のKの音が発せられていればcoffeeにはなってなかったかもしれない。
Coしかわからなくてコーヒー出てきたのかな。


「英語の使える表現」のコーナー

このコーナーでは教科書に載っていないような表現をご紹介します。

ことわざで「習うより慣れろ」ってよく言いますけど、

それを英語でpractice makes perfectといいます。

これを、私が今マイブームでよく聞いているJim Kwikっていう人がいるんですけど、

その人がちょっともじってpractice makes progressって言っているんですよ。

前進のprogress。

これは良いなと思って。
Perfectになるかどうかっていうよりも、progress、一歩一歩進むこと。

Practiceをすると一歩一歩実践進んでいくんだよ、っていうことを言っているんですよね。

Perfectじゃなくていいのはちょっと心がホッとしますね。

やることに意味がある、と言ったらいいでしょうか。
とにかく今日も明日も明後日もやるっていう。

Practice makes progressだから、コーヒーが何回出てきても頑張ろう!
Coffeeが出てきても頼んだcokeが出てくるように頑張ろう!
Someday you can get coke! いつかcokeが出てくるぞ!

試行錯誤しながら、これでもか、これやったらできるか!とやっていただきたい。

Practiceも練習だと思うと結構辛かったりするじゃないですか。
この英語で言っているところのpracticeって、ズバリやることなんだなって。
知識だけでは知識ではなくて。

いくら乗り方を知ってても自転車は乗れないけど、自転車は乗ってみる。
乗れるまで何度も何度もやってみることによって乗れるようになるじゃないですか。
ああいうことを言ってるんだと思いますね。

これは単純に良い言葉だなと思って。

だから、誰かに「習うより慣れろ」っていう感じでpractice makes perfectって言われたらprogressって言い返してやればいいですね。


次のエピソードは土曜日に配信されます。

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会議通訳者・発音改善コンサルタント 平松里英(ひらまつ・りえ)


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