見出し画像

可愛いアレルギー/その3

「可愛いアレルギー」を発症した私ですが、なんとか人に嫌われずに、できれば楽しく生きていきたくてジタバタしだしたあたりのことを、今日は書いてみます。

可愛いアレルギーってなによ?→その1その2

***

私が小学生になった頃、テレビで「ちびまる子ちゃん」のアニメが始まりました。

ちびまる子ちゃんは特別可愛いとか美人とかいう描写はされていないけど、言動がちょっと面白おかしくて。
可愛げのない口答えをしたりするところこそが、なんとも面白いんですよね。

私も、可愛くないぶん、面白くなりたいな。
変な顔でも、面白いこと言ってれば、大丈夫なんじゃない?
むしろ変な顔だからこそ、「面白い子」に向いてるかもしれない!

ちなみに、「ちびまる子ちゃん」の登場人物の中では、「はまじ」の顔が自分に似ていると思っていました。

鼻を省略されがちな、まるちゃんやたまちゃんに対して、はまじは鼻の穴、鼻の下の二本線、歯や唇までしっかり描かれていて、幼稚園児のときに感じた「自分の顔、グロい!」という感覚がアニメになった姿が「はまじ」だなって。

「はまじ」は、まるちゃん以上にヒョウキンで変なやつだけど、嫌われてはいないですよね。
いいぞ、はまじ。ありがとう、はまじ。

他にもいろんなキャラクターが出てくるけれど、クセが強かったり、迷惑だったりしても、どこか憎めない。そんな「ちびまる子ちゃん」という作品の世界は、私にも活路をくれたし、気を楽にしてくれ、調子に乗せてくれました。

まるちゃんや、キートン山田さんのモノマネをしてみたり。とにかく、話すのが好きになり、相手が誰でも、とにかく笑って、楽しそうにしていてもらうことに、いつも意識を向けていたと思います。

「可愛い」についての悩みには蓋をして、「面白い」を頑張ることにしました。

3年生のときの担任の先生に、家庭訪問のとき「頭のキレる、個性的な子だ」と言われました。
嬉しそうにしている母に「頭がキレる?個性的ってなに?」と尋ねると、「折り紙の中に1枚だけ金色のが入ってるでしょ。アレみたいな感じ!」と教えてくれました。

それはすごく特別っぽいぞ、と嬉しくなりました。自発的に取り組んだことを評価してもらえた気がして、素直に喜べました。

「可愛い」かどうかは生まれつき決まっていて、努力でどうこうなるものではないけれど、「頭がキレる」「個性的」は、頑張って獲得したものだ、と思っていました。

一方で、「可愛い」に対する免疫機能も育ち、

「その服可愛いね」と言われると、
「変な顔のくせに、可愛い服着てスイマセン!」
「服が可愛いのであって、私が可愛いのではない、喜ぶな!」

「肌キレイだね」と言われると、
「頑張って褒めるところ探してくれたんですね、スイマセン!」
「睡眠と野菜が大好きなので、肌だけはやたら強靭なんです、スイマセン!」

心の中に「可愛い」を弾き返し、右から左へ受け流す、鉄壁のゴールキーパーがいて、そいつこそが「可愛いアレルギー」の権化でした。

***

その4へつづく。(キートン山田さん風)

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

続きはこちら↓
可愛いアレルギー/その4

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?