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ラッキー家族、爆速で家を買う~アンチ戸建が決めたワケ~/その4
家を所有してしまったらもう引越しできないじゃん、というのも、私がアンチ戸建派である理由のひとつです。
実際、私の実家にも夫の実家にも、さらに私の母の実家や夫のお母さんの実家にも、もう使わないであろう物が、ただただ保管されています。
私と妹が着た子ども服、絵本、ぬいぐるみ。
キャラクターものの小さなコップ。
思い出がこびりついているのもあるかも知れませんが、廃棄するにしろ売るにしろ、量が量なので億劫なのだと思います。
長い期間放っておきすぎたのです。
所有物はこまめに巡らせるほうが、心地よく暮らせるように、私は感じます。
本当に大好きなものとは長年の付き合いになって良いけれど、実家に残っているものすべてがそうだとはとても思えません。
引越しは、所有物の要不要を選別する絶好のチャンスです。
物を入手したときと、今現在及びこれからの自分たちの価値観は、変わっていることもあります。
手に入れたときの気持ちにしがみついて、今の自分にはもう合わないのに所有し続けることは、きっと自分で自分を疲れさせることになると思っています。
さて。
そんな賃貸アパート万歳な私の意識に、小さく、でも確実に、ヒビが入ったことがありました。
何年も前だったのか、去年くらいのことだったのかすら、記憶が曖昧です。
何の番組で、どんな話の流れからの発言かも覚えていないのですが。
マツコ・デラックスさんが言ったのです。
「この先いつか、歳をとって働けなくなったら、部屋も借りられなくなるし、私子どもも作れるわけでもないしさ、どうしたらいいのよ」
部屋、借りられなくなる…?
「働けなくなると、部屋って借りられないの?」
私がぼそりとつぶやくと、夫、
「そりゃ、賃貸契約のとき、審査とかあるもんなぁ」
むむむ。無知。
私は一生、アパート暮らししていくイメージしか持っていませんでした。
子供が独立していったら、また付き合い出したときのように、二人で1Kくらいのこじんまりした部屋で、ジムニーにでも乗って小旅行したりして、暮らしていけたらいいな、なんて。
マツコ・デラックスさんほどに、人気もあってお仕事が充実している方が、将来にそんな不安を抱えているなんて。
そしてその不安を大きな声でテレビで話してくれたおかげで、私も「定年後」という未知の生活に、一抹の不安、問題意識を持つようになりました。
年老いて、息子のお荷物になるのは嫌だし、でもなぁ。
正直、何もわからなさすぎて面倒くさい。
そんなわけで、マツコ・デラックスさんの発言は、きっかけにはなったものの、面倒くささが上回り、しばらく保留案件として、この件は頭の片隅に追いやられてしまいました。
追いやられたまま私は、次男を妊娠、出産、夜な夜な授乳、オムツ替え…ヘロヘロな日々に突入したわけです。
具体的に本腰入れて家について考え始めたのは、幾度も書きましたが、ほんの先月のことでした。
そのことはまた、この次に書きたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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