白紙を塗りつぶす
世の人がいう恋愛というものは、ぬり絵のようなものだとふと思う。あの、あらかじめ枠が決められ、描きやすい用紙へ刷られた紙のこと。
どんな色を使い、どんな配色にしようかと嬉しい悲鳴をあげて悩む段階は、まだよく知らない相手にまつわることに考えを巡らせているところだ。成就するまでが楽しいものが恋だということは、白紙のぬり絵をもらったわくわくする気持ちのことを言っているのである。
色彩豊かな塗り絵をずっと愛しみ続ける人がいる。色があせても大切に持ってる人も。
素敵だろうと思いのまま塗りつぶして、完成した絵がなんだか腑に落ちないまま、ページをめくり続ける人だっている。
白紙のままのぬり絵を、色をうめるあても無くずっと持ったままの人もいる。
でも私はぬり絵なんかではなくて、自分でまっさらな用紙にフリーハンドで絵が描きたいと考えている。こんな時代なのだから自由な絵が描きたい。
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