さかえりえ

都内在住の編集者・ライター。編集プロダクション・出版社で情報誌の制作に約10年携わり、…

さかえりえ

都内在住の編集者・ライター。編集プロダクション・出版社で情報誌の制作に約10年携わり、現在はフリーランスとして活動。趣味はドールハウス制作、ジグソーパズル、フルート、テレビドラマ鑑賞。酒好き。 Official HP▶http://edit-and-write.com/

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あの日の思い出 ~さくらももこにお便りを採用された話~

ラジオ、インスタライブ、YouTubeの生配信など、自分の好きな番組や”推し”にメッセージを送り、採用されたときの喜びは計り知れないものがあります。 今回は、私が敬愛するさくらももこ氏と唯一”つながり”ができた小学校時代の思い出を振り返ります。 アニメが脳内再生! 『おはなし ちびまる子ちゃん』 日曜18時から30年以上にわたり放送されているアニメ『ちびまる子ちゃん』。原作は、言わずと知れた少女漫画誌『りぼん』で1986年に連載開始したさくらももこさんの代表作です。 そ

    • 好きなものがわからない人に読んでほしい話

      趣味や価値観、働き方が多様化した現代で、「好きなものが見つからない」という悩みをもつ若者は多いようです。心から好きなものに熱中している人を羨ましく思ったり、無趣味な自分は面白みのない人間なんじゃないかと落ち込んだり……。でもそれは、単なる思い込みなのかもしれません。 ここは気軽にエッセイでも読んで、一息抜いてみませんか? 漫画が大好きな少女、その名はちびまる子ちゃん漫画『ちびまる子ちゃん』のこぼれ話を集めたさくらももこのエッセイシリーズ、『あのころ』(1996年)『まる子

      • さくらももこの雑誌『富士山』で際立つ“おいしさ”の表現

        プロの編集者から見て、さくらももこの文章が放つ魅力のひとつに「食べ物がおいしそう」という点があると思っています。それが顕著にあらわれているのが、2000年に刊行された雑誌『富士山 第1号』。爆笑必至、記念すべき創刊号を振り返ってみます。 『富士山』はどんな雑誌?『富士山』は、さくらももこが編集長を務め、2002年までに全5号が刊行された新潮社のムック・シリーズ。国内外の旅先でのエピソードを中心に、『ちびまる子ちゃん』の描き下ろしやしょうもない夢の話、おすすめ本やCDの紹介な

        • 共感! ものを失くしたときに読みたいエッセイ

          ついこの間まで部屋にあったはずのものがない、またはいつの間にかなくなっていて記憶がない……という経験は誰しもあるはず。特に何時間も見つからないと不安が募るのはわかりますが、まずは一旦深呼吸。心を落ち着かせたいときに読むべき二冊をご紹介します。 失くしたものが見つからないのは「うっかりが8割」説『あのころ』(1996年)は、漫画『ちびまる子ちゃん』1〜5巻のこぼれ話を集めた、著者・さくらももこの子供時代にまつわるエッセイです。 この巻に収録されているのが「物をなくす」。お母

        あの日の思い出 ~さくらももこにお便りを採用された話~

          『ちびまる子ちゃん』作者に学ぶフラットな視点

          漫画『ちびまる子ちゃん』の作者であるさくらももこさん初のエッセイシリーズとして知られる、『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』。いずれも累計発行部数100万部を超えるベストセラーです。 『もものかんづめ』の刊行は1991年で、なんと30年前。20代半ばですでに作家として成功をおさめている点もあらためて驚きですが、時を超えてこの3部作を読み返してみると、また違った発見がありました。 「メルヘン翁」(『もものかんづめ』より)さくらももこ初のエッセイ『もものかん

          『ちびまる子ちゃん』作者に学ぶフラットな視点

          「文章を書く人」の憧れのまほうつかい・さくらももこ

          漫画家・作家のさくらももこさんが2018年8月15日にご逝去し、ちょうど3年が経ちました。代表作『ちびまる子ちゃん』は今年原作35周年を迎え、今もなおその作品は愛され続けています。 そんな彼女の作品で個人的に思い入れがあるのが、1998年に発売された書籍『憧れのまほうつかい』。大切な人の死を知ったとき、自分のなすべきことは何か。悲しみを受け止めた先にある、切なくも温かな気持ちをくれるエッセイです。 『憧れのまほうつかい』あらすじ高校二年生の冬、さくらさんは本屋でエロール・

          「文章を書く人」の憧れのまほうつかい・さくらももこ