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起業日記⑭Rinennaの潮目が変わった日

前回のお話はこちら

2018年、エンジニアSさんによって新しく生まれ変わったECサイトをリリースすることができました。布おむつ、布ナプキン、そして洗剤のRinenna。ここまで開発してきた製品を売るための土壌がようやく整いました。


生活費をメルカリで稼ぐ日々

いくらECサイトがオープンしたとは言え、すぐに買っていただける訳ではありません。地道にブログ記事を公開し、SEOで順位をあげて集客する日々がスタートしました。
外資系保険会社の朝会行脚も続けていました。このリアルな場での物販が売り上げを支えてくれていました。

そしてもう一つ。シングルマザーの私の生活を支えてくれていたもの。それはメルカリでした。実家にある、自分の所持品をひたすら出品してそして毎日メルカリの発送をしていました(笑)。

インスターグラマーマーケティング

2019年5月。ママさん起業家の出店イベントに参加しました。同じような境遇で頑張っているママさん起業家が自社製品を販売するリアルイベントです。出店料もかなり良心的だったのでRinennaでも参画することにしました。

その時、繁盛している店舗が一体どのようにマーケティング活動をしているのか、見たり聞いたりした中で気づいたのがインスタグラマーマーケティングでした。「宣伝広告費は出せませんが、この製品使ってみて、良かったら是非インスタグラムに投稿してください」と製品をプレゼントしていたのです。

これはいいかもしれないと思った私は、すぐにインスタグラマーのリストを作り、DMでアプローチしました。「試してもいいですよ」と承諾してくれた方には住所を聞いてRinennaを送ります。助っ人になってくれた友達の力を借りて、地道にアプローチと発送作業を続けました。

2019年9月21日、潮目が変わった日

同じ年の9月21日。私はとある経営者の方のお誘いで、両親と子供を連れて伊豆に遊びに行きました。ダイビング好きの父も、海が好きな母も子供たちも大喜びの1泊旅行でした。ところが伊豆に着いて数時間も経たないうちに事態は急転。

「あかん。帰ろう。」

家族全員を伊豆に誘った張本人である私の突然の発言に、家族は目が点になっていました。

この日、Rinennaの注文が爆発しました。一人で梱包、発送できる量をはるかに越える注文に、私の頭は真っ白になっていました。発送自体は倉庫にお願いしていましたが、梱包用の箱を組み立てて中に洗剤を入れるのは依然として私の仕事でした。1ケース20kgある洗剤を自宅の2階に運び、箱を組み立てて洗剤を入れて1階に運ぶ。この地道な作業が重くて本当必要でした。

そのため注文が殺到した時点で回らなくなることは目に見えていました。その予兆を感じた私は止む無く、家族を引き連れて伊豆を後にしました。

結局次の日も、その次の日も、この日を境に注文は続きました。一旦落ち着いたかと思うと、また突然注文の波がやってきます。地道に仕込んでいたインスタグラマーマーケティングが一斉に孵化を始めた瞬間でした。

そしてこの日を境に、私はメルカリの出品を卒業しました。


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