音階に強くなる!③ 【さまざまな音階】

「音階」がテーマの3回目。
残りの音階の紹介と、まとめをします!

②十二音音階(半音階)

1オクターブ内を全て半音で埋めると、12音できます。
これを音高順に並べたのが「半音階」です。
半音階に焦点を当てて書かれたような、(例えば「半音階的~」という作品などもありますね)そういうのは古くからありますが、それを除き、多くの場合、半音階というのは全音階(長・短音階)の中で経過的に使われるものです。

さて、普段、聴音等のレッスンしていて、半音階の記譜についてよく質問を受けることがあるので、ここで押さえておきましょう。


特にこうでなくてはいけない、というわけではないのですが、
一般的には、
上行の場合は♯をつける。第6-7音の間のみ第7音の♭(調によっては♮)
下行の場合は♭をつける。第5-4音の間のみ第4音の♯(調によっては♮)
となっています。もちろん、和音の都合等でこの通りでないこともありますが、このように記譜するのがしっくりきます。これだと臨時記号も少なく済み、スマートです。

※短調の場合は平行長調と同じ音を使います。例えば、a mollでも、上行は♭シを使い、下行は♯ファを使う。


➂五音音階

クラシック音楽ばかり見ていると「ドレミファソラシド」が揃っていることが当たり前のようですが、広く見ると7音揃っていない音階はたくさん存在します。
民族的な音階の中でも、よくあるのが「五音音階」(ペンタトニック)。
日本の音階も多くが五音音階です。
(よく「ヨナ抜き音階」という、長・短音階の第4音と第7音を抜いた音階がありますが、雅楽の音楽からきています)

これらは、楽典の教本にカタログのように載っているので、ここでは詳しいことは省略します。いつかの機会に!


④六音音階(全音音階)

1オクターブ内を全て全音で割ると、6つの音で音階が作れます。
この全音の間隔だけでできた音階を「全音音階」といいます。

全音音階はドから始まるものと、♭レ(♯ド)から始まるものと、2種類しかありません!
(レから始めると、①と同じ構成音になります)

響きが独特で、浮遊感があります。
こうなると、やはり全音階にある「主音、属音、導音」などの役割があって、調が決まるような音楽との違いを感じずにはいられません。

全音音階は、ドビュッシーが多く用いています。
ぜひ、譜面から探してみてくださいね。
例えば「喜びの島」↓  Cis-Dis-F-G-A-Hの全音音階使っているところ

(Debussy: L’isle joyeuse; 春秋社 p.38)


まとめ

以前にも言いましたが、音階を勉強する上で大事なのは、種類を覚えたり、テストでそれぞれの音階が書けることだけでなく、「曲中から探せること」と、「それを使って創作できること」だと私は思っています。

個人的なことですが…
ジョリヴェの「リノスの歌」(1944)というフルートとピアノの曲を来月のコンサートで演奏するために、今一生懸命さらっている最中ですが、
ネットで曲のことを調べていたら、「特色のある旋法を使っている」と書いてあったので、早速見てみました。

汚い譜面でごめんなさい、、私のです

これは最初の2ページですが、ここから使われている音を拾って音高順に並べてみます。


そう、この響き!独特!


こんな感じで音を拾い、使われている音の構成を調べていけると、特に近現代の音楽のアナリーゼは楽しいです。
長音階、短音階を使わない、ということは調性音楽から脱却したい、ということです。
ジョリヴェの他、同世代のメシアンも独自の音階が多く見られます。
こちらも探してみては!?

え?嫌ですか?(笑)




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なお、ある程度の知識がある方に向けて書いていますので、これじゃついていけない、という方は、ぜひ個別レッスンに!その人にあったレベルで解説します。(対面、オンラインどちらもあり)
レッスンご希望の方はrie3_e_mail@nethome.ne.jpまで。

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