人手不足はもう見飽きた。

人手不足を叫ぶ業界は、すでにどの業界でも言われていて、来る人には歓迎の意思でもって迎えられる。
だけども、そこには昔ながらの慣行で続けられるローカルルールというものがあって、新しい人にはまず仕事を覚えると同時に、そのローカルルールとも向き合わなければならない。

ここが、新人には馴染めないところであって、いくらそのルールを理由付けで納得するものであっても、今現在の仕事とそれが合わないと思ったらすぐにやめていく。

そのローカルルールとは、第一に非効率であり、第二に無駄な行程を経るものであることが多い。
長時間労働と少ない休みが横行しているところは、これがまさに新人に馴染まないケースが多く、さらにボーナスなし、有給消化率数%ときにはゼロでもある。

だから、残っている人数に限らず、そこでは人員にたいして仕事が膨大であり、まさに終わっても次の日にはまた仕事が同じだけ降ってくる。デスマーチの様相でもって、仕事の効率をあげていくよりも、終わらせる方向にしか人は選ばなくなってくる。

さらに追い詰める方向として動くのが、営業時間の長さを短縮させずに残業ありきで働かせることである。
飲食店と旅館業、スーパーマーケットの小売業ではこれが顕著である。

かつて、セブンイレブンはその名のとおり、7時開店23時閉店であったものが、今や24時間営業である。
ほかの業界でもこれが当然のようにあるけれども、人が働きたい時間と人を欲する時間のズレが人手不足を叫ばせている。

コンビニに人手不足はおもに深夜枠で、男性が入るのが望ましいようだ。
女性では防犯の観点から『ひとりでは襲われる』、『強盗などに力の差で劣る』危険があるらしく、深夜のコンビニは男性しか見たことがない。

それでも、地方にすむものの実感として、トラック運転手の休憩場所としてコンビニは欠かせないので、その張り紙はなくなるのはまだまだ先。
コンビニから24時間営業がなくなるのは、自動運転によるトラックの普及でしか変わらないと思う。
先日高速を片道4時間走ってみたけれど、人体の影響はまず目にくる。周りの状況を見ながら運転するものだから、目の疲れは首と肩にくるし、脳にもきて眠気を誘う。
運転手の手が必要になるのは運搬先の荷物の上げ下ろしであって、自動運転で荷物も人も輸送できればその間寝られるし、GPSでもついてれば先方にも運行ルートが把握できていつ来るのか分かりやすい。

話が脱線した。

その営業時間は今本当に開けていいものなのか。働く従業員に無理のないシフトが組めているのか。
もしくは今いる人の時間を奪ってシフトを組んでいるのか。

人手が足りないのは、効率よく仕事ができてさらに業績を伸ばすために雇おうとしているのか。
もしくは今ある仕事の延長のために人を雇って非効率な仕事のしかたを押し付けるつもりなのか。

どちらも前者であれば歓迎するが、後者であればお断り。

それさえも考慮しないで、人が足りないという問題の本質をつかみもしないで、人手不足を叫ぶなら、その会社のトップや責任者に考えるものがいないということ。
新人は試用期間中にこちらから切ってしまえばよい。

人がいなくなってはじめて、そのトップも変わりはじめる。
だが、トップも責任者もなぁなぁで続けるようなら、今いる従業員、欲を言えばトップに信頼を寄せるものが会社の未来を語っても話が受け入れられないのであれば、会社を去らなければなにも変わりはしないと思う。
裏切られたという話にもなるかもしれないけど、会社に未来がないとわかれば人はさっさと辞めるべき。

自由市場の中では市場に寄り添う会社が伸びていき、そうでなければ去らなければならない。

会社があって人がいるのではない。人がいてはじめて欲望の実現を目指して、会社や組織ができるのだ。
その実現に寄り添わず空回りし、かつ人が働きに意義を見いだせない空洞化した組織はそのうちに淘汰されてなくなっていく。

今の人手不足がこれからも続くと思わない。
その前に会社がこの世から消えている。

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