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香りと記憶

「香りと記憶」というと、
世代柄、
香水で思い出す元カレの匂いとか、とかくそういうのを連想しがちな39歳。

郡上にUターン帰省したのが5月。
地元に漂ういろんな匂いに、いろんな記憶がよみがえる。

最近6歳の息子と夕暮れの雨上がりの外を歩いていたら、
「ママ!いい匂いがする!わかる?この匂い!」
と言ってきた。
「え?なんか匂いする??!カレーとか??お魚焼く匂いとかしてる?!」
と聞きなおすと、
「違う!前にいつも行ってた池でエビ獲ってたときの匂い!
緑みたいな匂いっていうか、泥とか藻みたいな匂いだよ!!」

(えwソレいい匂いなの?w)
と思ったんだけど、
彼にとっては
大好きなお友達と毎日のように飽きるまでエビや小魚を捕りまくってた
思い出が一瞬でよみがえってくる匂いであって、
それが一般的にどんな匂いなんだろうと
「いい匂い」と表現されるのが尊い・・・♡

数日後。
一緒にお風呂に入ってて、
先に出る息子に、
「寒いからお風呂の中で体拭いて出な!」って言ったら、
彼はまさかの手洗い場の使用済みの手拭きタオルを持ってきて、
顔をうずめた。

そして一言。
「いい匂い~❤」

「え?wいい匂いだった?なんの匂い?お花の匂い??」
柔軟剤の匂いとかのこと言ってるのかな?と思ったら、

「違う。森の中でパパとカブトムシ探した時の匂い!」

「ん??wやっぱりちょっと臭いな!」爆笑
ケラケラ笑う息子を見て、微笑ましく思いながらも、
やっぱり香りと記憶は繋がっていて、
彼は瞬間的に思い出がよみがえってくる匂いを
「いい匂い」と表現することが
愛おしい。


寒い寒い雪の中、通学した、朝の澄んだ空気の匂いや、
暖房でポカポカのバスの中の匂い。
初夏の夕立の匂い。
森の匂い。
野焼きをしてる匂い。
そのひとつひとつに、断片的だけど、風景が焼き付いている。

私の好きなものには、いつも「思い出」がセットになってる。
匂い以外にも。

お祭り好きは、
みんなが楽しそうにワイワイしているのを見るのが好きだったから。
大人も子どもも、準備も本番も、全部が楽しかった。

ゲレンデ好きは、
学校帰りにスキー場に集合して練習に明け暮れるのが好きだったから。
ナイターまでの1時間、休憩がてらレストランでカレーを食べて、
5㎝くらいだけパウダースノーが積もったゲレンデを
一番乗りで滑るのが最高だった。

自然好きは、
夏休みに近くの川で飛び込みの練習をしたり魚を捕るのが好きだったから。
川の向こう岸にロープを渡して荷物を運んで秘密基地を作ったり、
オオサンショウウオと闘ったり、向こう岸で野良猫を飼った。

BBQ好きは、
近所のおじさんやおばさんが集まってきて
だらだら笑いながら過ごすのが好きだったから。

ガソリン匂いが好きなのは、
家の近くのガソリンスタンドで、おじさんたちとお父さんやお母さんが
言葉を交わすのを見るのが好きだったから。
おでかけや、配達の前に。

そう思ったら、大人が与えたがる”経験の機会”というよりも、
とにかくその場が楽しそうだったとかのぼんやりとした
”記憶に残る温かい思い出”が多い方がいい。

ママ、たくさん楽しむから、
その場の空気をたくさんたくさん心に刻んで、しまい込んでおいて、
大人になったとき、自分を励ましてくれるようなパワーにしてね♡

ときどき”匂い”でソレを思い出して、
心が温まったり、幸せな気持ちになってほしい♡
そんなことを思ってみた冬。
(ストーブの匂いがするだけで、ちょっと温かい気がするんだな♡)

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