続々縫製工場~介護の話


先日、軽い気持ちで仕事検索して介護の求人を見つけて調べていたら、最初の介護施設を辞めたときによく見てた介護系のYouyubeチャンネルが突然出てきて真顔になりました。なんか釘を刺されたような気がして、神妙な面持ち(多分)で見入ってしまいました。
ちなみにこちらのチャンネルです。

私が介護をやろうと思った理由はいろいろありますが、そもそもの原点は、同居していた父方の祖父が寝たきりだったことに始まると思うのです。
祖父は両親が結婚する前に脳梗塞を発症して寝たきりになったそうで、それを分かって逆に父と結婚することを決めた母は、改めてすごい人だと思います。そして、同居の祖父を家で見ることができたのも、自宅兼仕事場での自営業という形だったことが大きかったのではないかと思うので、家業に紐づけてこういう記事を書いておこうと思いました。

紳士服の職人では食っていけず、婦人服の工場を立ち上げるために滋賀に越してきて古い二階建ての家を借りた両親は、二階の二間(ほんとは三間だけど自殺があったようで壁で塞がれてた、いわゆる事故物件詳しくはこちら)を子供たちの部屋兼祖父の寝室としていました。
一階は居間と応接間がありましたが半分くらい工場で、私たち兄弟と祖父は同じ部屋で過ごす時間が長くなりました。
もちろん両親とも仕事をしており、祖父を常時見ることはできませんでしたが、基本母が祖父の面倒を見ており、これも自営業だからできたことなのかなと今となっては思います。
そして、祖父にとっては、同じ部屋に孫たちがいるのも気晴らしになっていたようです。当時皆小学校低学年で家にいる時間も長く、私も祖父のベッドの横で一緒にテレビを見ていたりベッドに飛び乗ったりした記憶があります。

私が初任者研修の資格を取るために通ったスクールで、あなたならこの間取りのどこに寝たきりの方を配置しますか、という問題が出されたことがありました。
それは、病院に行くときの玄関までの動線とか、ご家族の見守りやすさを加味して考えるべき質問でしたが、私は居間に置くと答えて講師の先生に鼻で笑われてしまいました。
模範解答は玄関横の窓のある洋室でしたが、そんな密室だといくら窓があっても寂しいんじゃないかと思ってしまったのは、自分の幼少時の体験があったからでした。居間なら、たとえばお孫さんがおられたら姿も見えるし話もできる、一緒にテレビも見られる。そもそも玄関までの動線もいいし、我ながら悪くない答えだったと今でも思っています。

私は高齢者はできたら家で見てあげたほうがいいと思っていますが、体が元気な認知症の方は、家で見るのは同居のご家族がおられても難しいと思います。
高齢者施設に勤めてみて思うのは、お体が不自由でも元の人格が保たれて、意思の疎通ができる方のほうがお世話しやすいということです。
そういう意味では祖父は寝たきりだったからこそ家で見ることもできたのであって、自営業だから皆家で見られるわけでもないと思います。
ただ、自分自身の経験から鑑みても、老いて体が不自由になった肉親と毎日接するのはいいことだとも思うし、大切な事だとも思います。
現在は老いや死が、あまりにも日常から遠いところにあるようにも感じるのです。

記事は以上ですが、この記事を書いている途中に著名なお笑い芸人さんの自死が報じられました。
思うこともありますので、次の記事で書かせていただこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
次回もよろしければ。

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