続 縫製工場~仕事の話

続きを書くつもりではなかったのですが、いまだに働き方について考えており、自分のルーツを振り返るとここに戻って来ざるを得ない感じです。

母方は商売の、父方は職人の家系で、一応どっちも自営でした。
父方は住み込みで職人修行をしてお店にも勤めたので、厳密にはちょっと違いますが、自分の手の技術一つで生きてきたのは間違いないと思います。
私自身は洋裁もハンドメイドもそんなに好きではなく、ミシンを扱うのだけは好きでしたが、縫製の職人には向いてないと思います。
ちなみに商売も向いてないと思います。
ただ、母親も父と結婚するまでは洋裁は嫌いだったらしく、結婚してしぶしぶ始めたけど何とかなるものだと言っていました。

しかし、洋裁も縫製もそれほど好きでない私でしたが、裁断された生地が送られてきて、それを縫い合わせて送り返すだけの仕事場の中で好きなこともありました。
端切れを集めてパッチワークにすることです。
私はいまだにそうなのですが、新しい生地にはさみを入れて何か作るよりも、ちっちゃい端切れや古い服を、工夫してつなぎ合わせたり直して再利用するのが好きでした。
裁断された生地の中には半端になってしまって使えないものも混ざってたり、生地を束ねるひもがそもそも端切れをつなぎ合わせたものだったりしました。私は、そういう布切れを目を輝かせて集めてはアイロンをかけ、同じ柄を束ねてため込んでいました。
パッチワークのパターンの本を買って型紙を作って、ちゃんとキルティングに仕上げて、巾着やランチョンマットのような小さなものばかりでしたが、人様にプレゼントしたりもしました。
忙しくなってしまった後はもうできなくなりましたが、私は昔からそうだったんだなあとしみじみ思いだしました。

ミシンの仕事は好きですが、新しいものを作るよりも、古いものを直したり、小さな布切れを工夫して使うのが、今でもやっぱり好きです。
真新しい大きな布地が広げられているより、何に使うにも微妙な大きさの端切れがたくさんある方が、何作ろう!!ってワクワクするのです。
私は制限があるほうが良いっていうか、限られた資源の中で工夫するほうがアイデアが広がるタイプのようです。
ちなみに料理でもそうです。材料が限られていればいるほど工夫するのが楽しいです。

そして、洋服のお直しも好きです。
ほんとはこれを仕事にしたかったんですが諸事情あってできていません。
でも、これからは大量生産大量消費は時代に合わず、洋服のお直しは需要が出てくると思うんですね。
自分で仕事を受けるだけでなく、簡単な事なら教えることもできるし、自分で何か作りたい人に、うちにあるミシンや資材などの環境も提供できるかもしれない。
というのを、本当はやっていきたいんですね。
ご時世的に難しいのもありますが、本当は、そういう形のコワーキングスペースのようなものを作りたい。
そう思っています。

そういう覚書および宣言でした。
そして全然別の話ですが、もう一つ、家の仕事をテーマに書きたいことがあるので、あと一回書いて終わりにしたいと思います。

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