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プロじゃなくても作れる!?謎解きイベントの作り方

最近、謎解き講座が流行っていますので乗っかる形で書いていきます!謎解きイベントをやりたいけれど、そもそもどうしたらいいのか、自分たちでも頑張ればなんとかなるのか知りたい!方向けのライトな内容を目指します。

結論:ある程度なら「誰でも」謎解きイベントは企画できる。

謎クリエイターがこれを言ってしまっていいのか分かりませんが、結論としては『ある程度』のものなら誰でも作れると考えてます。

ある程度とは?

例えば、社内イベントなどのインナーイベントや、ファミリー向けのライトな内容、結婚式の二次会など、レクレーションを目的とした企画であれば少しのコツだけで作ることができます!

ですので、例えばそれほど予算をかけずになんとか自力ででも謎を作りたいけどどうすれば?という方に参考になればと思います。

もちろんクオリティを出すならプロに依頼を。

「ある程度」は作れますが、大人向けのコンテンツや有料コンテンツなどしっかり作る必要があるものはプロじゃないと難しいと思います。まずはチャレンジしてみて、限界を感じた時に相談してみるのもありかもしれません。

大きく2種類ある謎解きのジャンル

まず押さえておきたいのが謎解きはジャンルによって作り方が大きく変わるということです。どちらか選んで参考にしてください。目的を整理すると、実はもう片方がよかった、なんてこともあります。

脱出ゲーム形式

目的としては、「コミュニケーション」を通して「チームビルディング」や「レクレーション」に繋げたいと考える時に企画するジャンルです。

特徴としては
・制限時間がある
・チームごとに謎解き
で、ある程度時間や会場を絞らないとできない形式です。

周遊型形式

目的としては、「集客」や「PR」の時に企画することが多いジャンルです。

特徴としては、
・期間内にいつでもプレイできる
・現地にある「もの」と接点を増やすことができる
ことで、人的コストをかけず幅広い人にリーチできるコンテンツです。

謎解きの企画のやり方(全体編)

では、具体的な謎解きイベントの企画の方法を見ていきましょう。何度も言いますが、クオリティの高い謎はプロにお願いしましょう!

どんなクオリティの謎でも大きな流れはこの4ステップです。

1 | 目的をはっきりさせておく

僕も初回の打ち合わせ時にはしっかり話すことです。「なんとなく流行っているから」で謎解きを考える人が少なくありません。
例えば、「チームビルディング」を目的にしたかったのに、ただの賑やかしのレクレーションで終わってしまった。なんてことも起こりうるんです。

実際、「謎解き」がベストと思わず、宝探しやデジタルスタンプラリーを提案して一緒に作ることもあります。

なぜ、謎解きなのでしょうか?

2 | ラストを決める

ラストを決めて、それを目掛けて一つ一つを作っていくことが一番作りやすいです。
例えば、「ラストアンサーを提出させる」「宝箱を開けさせる」「ゴール地点に向かわせる」などが挙げられます。
そしてラストアンサー(言葉)なら、どんなワードにするのかも考えていく必要があります。これが企画のスタートラインです!

3 | ラストに向けて謎を作る

謎の作り方は「脱出ゲーム」と「周遊型」で大きく変わりますので、この後詳しくお話ししていきます!ここまできてやっと具体的な問題を作る工程に入っていきます。

1問目を作りはじめるのは、実はこの辺からなので、結構遅いでしょう?

4 | 開催のオペレーションを詰める

運営はどうするのか決めていきましょう。例えば、受付の有無やスタッフの人員などです。ここはある程度の知識や経験がないとイメージが湧きづらいポイントかもしれません。

あとは、印刷物はどうするのかなどです。


謎の作り方-脱出ゲーム編

制作難易度は、実は脱出ゲームの方が低いと言われています。形式が異なるだけで作り方は大きく異なります。それは、伝えられる『体験』が全く違うからだと思います。

1 | 伝えたい「体験」を考える。

まずはこれをリスト化することから始まると思っています。実際、僕もその会場やオペレーションを見てできることを相談するところから話します。

具体的には、
・一般人が普段入れない部屋に入れる
→謎の答えが「〇〇の部屋に入れ」と指示が出てくるなど

・日常では絶対にやらないアクションを取り入れる
→謎の答えが「ウィンク見せろ」と指示が出てくるなど

・謎を解くためにコミュニケーションをミッションとする
→チームメンバーで情報共有しなければ答えが導かれない

分かりやすく言えば「会場に設置した宝箱」の「解除コード」が答えになっていて、そのために謎を解く。
これだけで「ある程度」の謎解きイベントにすることができちゃいます!!

2 | 全体の構成を考える

具体的なケースを例に見ていきましょう。
例えば、1で考えた取り入れたい「体験」を
・テーブルの宝箱を開けさせたい
・ウインクをさせたい
・制限時間以内にある部屋に入っているチームがクリア
の3つだったとします。

その場合、STEPで分けると3つになります。
STEP1 謎解き→こたえは宝箱の暗証番号
STEP2 謎解き→誰かに何かを見せる指示
STEP3 謎解き→ある部屋に向かう指示

という具合になってきます。ここまできたらあとは謎を当てはめるだけです。

3 | 謎を当てこむ

この構成ができていればあとは簡単だと思います。なぜならば、謎解きにはパターンやオーソドックスがよく存在しているからです。

<<宝箱の暗証番号を出すための謎>>
謎解きでよく使用される流れとして「魚の骨」というパターンがあり便利です。

魚の骨

例えばこのような回答用紙とA〜Fの問題が手元にあったとします。AからFの問題のこたえをそれぞれ縦に書き込んでいきましょう。

すると、赤い矢印を左から横読みすると「誕生日」という言葉が出てきます。その数字4桁を手元の宝箱に入力すると、中から次のSTEPで使う問題用紙が出てくる、というような具合です。

もちろん、A〜Fの問題も制作するわけですが、お伝えしたとおりある程度パターンもあります。
例えば、50音表を使った問題や干支を使った問題です。この辺りは「謎解き」で検索するといくつか既存の問題が出てきますので「参考」にしてみましょう!

「ある程度」のイベントは「参考」にして作ることができます。
*もちろんパクリはいけませんよ。ですが、謎解きに触れていると、傾向が見えてくるんじゃないでしょうか?

4 | 時間調整や運営について詰める

制限時間が60分なのか、30分なのかで問題数も変わってきます。妥当な問題数なのか、さらにテストプレイを行い問題に問題がないのか確認。
さらに、運営の仕方を考えていきます。

謎の作り方-周遊方イベント編

実はこちらの方が制作が難しいです。ですが世の中の需要にマッチしているのはこの形式です。もしこれからビジネス化を考えている人がいるならこの形式を作れるようにしましょう!

1 | 全体の構成を考える

「もの」によって違いはあれど、実はラス謎ってそれほど重要ではありません。もちろん、大人向けの有料イベントに限って言えば、ラス謎は超重要です。
ですが、ファミリー向けのコンテンツ、無料イベント、であれば重要度は下がります。

「どこで何をするのか」をまとめ上げていき、全体感を整える作業が最も重要です。
最近制作したものをベースに流れをご紹介します。

構成案

まずは全体をSTEPに分けて見える化します。
「周遊型」の場合は、見せたい場所・行ってほしい場所があるはずです(クライアントの要望等)。
まずはそこを回遊させるためのSTEPの設定。さらに、ターゲットやボリューム、現地でできることをベースに「体験」を追加していきます。

「ナゾトキ」の楽しさは何よりも「体験」です。宝箱を開ける、お店のスタッフにこたえを伝える、などの非日常をどれだけ入れられるかがクオリティに繋がります。

「どこまでできるのか?」「何にこだわりたいのか?」で残りのSTEPも決めていきましょう。
上記の場合は、現地施設の協力が寛大だったため、より体験を入れることを目指して設計しています。
特に、折り紙をして、ある動物を作って〜という流れを作ることで、お子さんにお土産を作ることも意識しながら作っています。

全体構成が大事な理由は、移動を伴う形式だからです。
脱出ゲームは部屋の中で行うことが多いため、「問題自体」が大事にされます。
ですが、周遊型の場合は、いくつかのチェックポイントを実際に回ることになります。
例えば、1箇所目と2箇所目が歩いて30分の距離ならそれだけでストレスです。
じゃあ、チェックポイントを変更するか?今2箇所の間を飽きないようにもう1問追加するのか?という考え方が出てきます。

そのため、クリエイターとしては「謎の制作力」よりも「優しさ」が求められる気もしています。


2 | 問題を当てこむ

この流れができればあとは簡単です。周遊型ならではの問題の作り方はありますが、これは脱出ゲームよりは難易度は低いかもしれません。
周遊型の問題制作についても別のコラムで紹介していきましょうか。

「問題作り」の脱出ゲーム、「構成作り」の周遊型

この2つの形式を比較するだけでも大きく作り方やポイントが違うことがわかってもらえたかと思います。

お伝えしている通り、コツを掴んでしまえば「ある程度」はどちらの形式も制作は可能です。
それを商業化する、クラスタ向けに作る、などになるとこのレベルでは難しいかもしれませんが・・・。

まず作ってほしい。意外と作れると思います。

全く知識がない方は、まずはイメージしているイベントに近しいものに参加することから始まると思います。
参考にしたり、真似することは悪いことではないと思います。
つまりは、「脱出ゲーム」「周遊型」それぞれにある程度の「型」が存在するのです。
3〜5回参加すると「型」が見えてくると思います。そこからは「やってみる」ことだと思います。

「他のイベントに参加してみる」「問題を検索してみる」ことから少しずつやってみると、「制作が楽しくなってくる」瞬間が出てくると思います。
やっぱり制作者はワクワクしながら作ってほしいと思うので、その気持ちをぜひ形にしてほしいな〜て思います。

今回は、ざっくりとした全体像。

あまり具体的なことがお話しできず、少し後悔しています・・・。
具体的な問題の作り方については「脱出ゲーム編」「周遊型編」でそれぞれ別のコラムにまとめていきますね。

ですが、やっぱり大事なのは「スタンス」と「全体の構成」だと思います。
謎解きイベントを作ろうとして、いきなり1問目を考えるクリエイターはいないと思うんです。

だから、その雰囲気だけでも伝わって、「自分でも作れるかも?」と錯覚してくる人が増えたら嬉しく思います。

最後にちょっとだけ。

プロが作り方を講座することって賛否あると思います。
どっちの意見があってもいいと思います。

ですが、はしもと的には「謎解きがもっと身近なものになって欲しい」と思っているので、出せる情報は出していきます。

それは「謎解きを発注すると高い」という声をよく聞くからです。実際、問い合わせをしてみたら、桁が違かったなんてことよくあります。

もちろん、数百万、数千万の制作会社はクオリティがすごいと思います。
ですが、そこまでのクオリティがなくても十分な施設や企画はたくさんあると思います。
それがここでいう「ある程度」の企画です。

だから、金額で企画倒れするのが勿体無いと思いますし、それで作れる感動がなくなるのももっと勿体無いと思うんです。
その感動で次のクリエイターが生まれてもっと面白いコンテンツが生まれたら、僕も嬉しいし参加したいですしね。

だから、他の謎クリエイターさんぽくない活動もしていきますので、これからもRiddleTimezという団体、はしもとをよろしくお願いいたします。

最後までありがとうございました。

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