動きの理想、そして動き作りについて
0. 前書き
自分が普段行っている動きづくりと、それをどんな意識でしているかをまとめてみました。動きとして一番大切にしているのは4.の絞る動きで、それを生かすための他の動き、というのが基本です。
私は、脚は股関節から折って上げる(いわゆる"腿上げ")べきではなく、体を絞ってねじってもっと上の部位から出すべき、という考えのもと走っています。競歩の某薬学部の先輩に言わせれば、
腹筋が三段あるうちの上一つを固定して下二つから足を出す動き
長距離の某"体の構造マニア"の先輩に言わせれば、
胸椎十二番を支点とする振り子運動
ー132. 肩甲骨は翼 加藤悠@長4
これらに近いことをより簡潔なイメージで達成しようとしています。そのためにもっとベターなもの(動き、意識含め)があれば、走りも動きづくりも適宜改善していきたいので、ご意見がある方はぜひ!
ちなみに普段は jog、体操等を済ませた後に、以下の動き作りに入ります。体操は仙台一高時代のものをやっているので特別なことはないです。ラジオ体操第二に近い体操をしている気がします。
1. ランジ 3種
意識するポイント:
・上体は真っ直ぐにして決して腰から折らない
・体幹で体が前後左右にぶれないよう支える
1-1. まっすぐ足を出すもの(いわゆるランジ)
腸腰筋とハムを伸ばす。 脚は上からまっすぐ下ろす。足と脚、膝、足の付け根は90°。脚の切り替えと腕の切り替えとのタイミングを合わせること。
自分は踵からでなくフラットに接地するようにしている。走る時の動きに近い方がいいと思っているからであるがどうなんだろう。踵からつく人もよく見かける。
1-2. 足を外に出すもの
脚の内側、内転筋などをメインに伸ばす。 膝の角度は特に気にしていない。後ろ足は足の内側を地面につける形。
1-3. 足をクロスさせて出すもの
脚の外側、大腿筋膜張筋などをメインに伸ばす。これも特に膝の角度は気にせず。伸ばせていればOK。後ろ足は足の外側を地面につける形。
2. 骨盤周りの可動域を広げる
意識するポイント:
・膝を曲げずに骨盤の旋回のみで進む
(言い換えると)足首の蹴りで進まないということ
・脚を上げる時コンパスのように開かない。誤魔化さずに骨盤で進む。
・大きく進む必要はない
・背筋を伸ばして行う
・骨盤に手を当てながらやるとやりやすい
2-1. つま先立ちで進む
接地時はつま先から突き刺さずに上からつくことを意識。
この骨盤旋回の動きがここから先の動きづくり、走りの中で足を出す方法の基本となる。特に4.の前哨戦。直感的には腹横筋のあたりの収縮で足を上げている感じ(?)。実際には腸腰筋とかをメインに使っているんだろうけど。
2-2. 踵立ち(?)で進む
進むときに多少足底部が地面に触れてもいい。踵で立っている方が(どうやっても足首で蹴って進めなくなるので)より骨盤の旋回で進んでいることを意識しやすい気がする。
なんとなくこの順番でやっていたけれど、やり初めの人にとっては2-1.と2-2.を逆にしてイメージを先に作った方がいいかもしれません。
3. 動的ストレッチ(股関節の旋回/ハムの伸展)
意識するポイント:
・軸を決めて体を前後左右にぶらさない
・腰を落とさない(やりがち)
・その上で、大きく動かす
3-1. 前に大きく回す
ハードルの抜き脚みたいなイメージ。脚を背後から手前に向けて大きく、 股関節を回しながら持ってくる。⻘トレでも似たような動きがある。接地は空き缶潰しのように真上から振り下ろす。
3-2. 後ろに大きく回す
前に回す時と同じイメージで行う。やや やりづらい(体がブレやすくなる)ので、より強い軸の意識が持てる。個人的には股関節旋回と同時に後退するものより、旋回と同時に前進するものの方が好き。後退するバージョンは変に体が反りがちだし、あえて前進する方が軸がブレがちでいいトレーニングになる。これもまた力を入れずに上から空き缶潰しのように接地されたい。
これも2と同じ理由で、3-1.と3-2.は逆でもいいかもしれません。
3-3. ハムを伸ばす
膝を多少曲げたまま、脚を股関節から大きく前に振り出す。ハードルの振り上げ脚に似たイメージ。接地のタイミングと同時に骨盤を切り替えて乗り込んでいくイメージももてると良い。
3-4. 前に大きく回す(テンポ速)
3-1.の動きをテンポを上げて行う。リズム感を大切に、筋肉だけで動かさない。
3-2.のテンポ速い版は、後退しながら股関節旋回する時に限り行う(前進しながらバージョンではできない気がする(?))。
3-5. ハムを伸ばす(テンポ速)
3-3.の動きをテンポを上げて行う。この動画の自分はそこまで上手くないが、腰を落としてしまわないよう留意されたい。これも力まない。
4. 体を絞って動かすイメージ作り(雑巾絞り)
意識するポイント:
【共通して】
・腕の切り替えと脚の切り替えのタイミングを合わせる
・上体を左右にぶらしすぎない
【その場】
・胸は正面を向く
・しっかりとねじる
・力づくではなく飛んだ勢いでねじる。
・跳ぶ時は足首をこねらず膝を大きく曲げず、脚のバネで跳ぶ
・肩周りはしっかりリラックスさせる
【前進するとき】
・体の真下で接地する
・足で蹴って進まない
(言い換えると)足首をこねない
(さらに言い換えると)次の足のスイングで進む
(さらにさらn)骨盤を切り替えた慣性で進む
・上体はリラックスを維持
この辺りから走動作に近づけていく。切り替えのタイミングが合っているかは周りの人に何となくでいいので見てもらうと良い。
まず、その場でジャンプしながら体を絞る(原義)動作を複数回行う。ねじると言ってもいいかも。肋骨の辺りと骨盤の辺りを巨人に持たれて雑巾絞りされる感じ。胸は正面だが、下半身だけを回すというより、上半身も連動してねじる感覚を持って欲しい。ねじった結果を胸が正面になるようにしただけ。
そのイメージを持ちつつ、今度は膝を伸ばして、絞りの動作のみを使って前進する (ヒザ神的な(?))。競歩の脚の振り出しによく似ている気がする。あれは膝曲げてるけど。 大きく前進する必要はない。体の動きを第一に考えてほしい。
ある程度進んだら、前の動きのイメージを大事に軽く流す。
5. 腿上げ"的"動作
意識するポイント:
・特に上体が後傾しやすいので注意
・脚の切り替えと腕の切り替えのタイミングを合わせる
・切り替え以外の時間は余計な力を抜く
・最初は周りになんとなくでいいのでみてもらうのが吉
・骨盤から折るように腿を上げない
→4.でイメージしたように絞るように上げられるといい。
この動作は漸進しつつ行うが、難しければまずはその場でやってもいいと思う。漸進したほうがイメージとして走りに繋げやすい感覚。
初めは、タンタン、タンタンと片脚で 2ステップずつ。続いて交互に(いわゆる腿上げのリズム)。最後はその動きの延⻑で軽く流し。4.の応用版だと思ってもらえれば良い。ここまでで動きづくりのほとんどは終了。
6. 空中で脚の切替を行う
6からは、流しに向けてのスパイスみたいな感じ。これはかつてバスケのアップでやっていた動き。初見でほぼ全員面食らう。やらなくても良いが、 脚のバネを感じるしキレを覚えられる気がするので、やりたい人はぜひ。月歩ができる気分にもなれる。
これも腕振りと脚の切り替えをバッチリ合わせるべし。ある程度進んだら軽く流す。
7. 独特のスキップ(タタ----ン、タタ----ンのリズムで)
脚の切替の際にだけ力を入れることを意識しやすい。空中では必ず脱力。地面に着く時だけ、バチンッと力を入れてやる。大きく前進する必要なし。ある程度進んだら軽く流す。
最後に、ここまでの動画のプレイリストを載せておきます。お世辞にも綺麗とは言えませんしまだまだですが、少しでも参考になれば幸いです。
以上
8. 追記
中学の頃はバウンディングもやっていたりしたけど、動作として難しいと定評なので中途半端にやらない方がいいかと思い今はやっていないです。短距離とかに上手い人が多いイメージがあるので、ちゃんと教えられる人から教わって各自できると尚良いかと思います。
この後、"独特のスキップ"のリズムを間延びさせたような二歩走(や三歩走)を行い、普通の流し、メニューという流れです。
二歩走は、タターン、タターンと片方の脚のみを前に振りだしながら流しをするものです。 三歩走はタタターン、タタターンと脚を切り替えるバージョン。走りのアドバイスとして空中で力を抜け、とよく言われますが、そのイメージがよく作れると思います(空中動作を間延びさせているので、力を抜くことができる時間が伸びる→イメージを作りやすい)。接地の瞬間だけ力を集中させてください。
最後の流しは、ここまでで作った動きをしっかりとイメージします。実践編、総集編とも言えますね。ここまで出来るようになればだいぶ本練の動きも変わってくるはずです。
長くなりましたが、ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!