映画鑑賞『燃ゆる女の肖像』
新年一発目に観てきました。
セリーヌ・シアマ監督のフランス映画で18世紀の女性同士の恋愛を描いた作品です。
以下感想
絵がテーマだからか、美術館に行ったような気持ちになりました。
ブルターニュの美しい景色と、様々な絵画を通じて表れるドラマ、そして2人の交流がこの作品という絵画を見てるような感覚になりまして。
ストーリーは一見淡々としているのですが、マリアンヌとエロイーズの感情が動き出してからはどこかヒリつく熱いものを感じます。
2人の恋は『終わり』が決まってるんですよね。絵が描けるまでという時間的な終わりと、画家と名家の娘という立場的な終わりと、同性愛は認められないという時代的な終わり。
続きはないーそれを分かっているからこそ、その刹那に全ての想いをぶつけ、愛を育む。その様子はとても人間的で愚かで美しくもあります。
最後の終わり方も印象的でした。あそこであの音楽、あの描写はずっと目にも耳にも残りますね。
一度交差したものは、もう二度と合うことはないんだけど、それは悲劇というより運命的で、それでも2人がずっと想いあっているのも運命なんだろうな。
絵画や音楽と言った創作は、ただ単に作品という結果だけではなく、出来上がるまでに様々な思惑とドラマがあってそれを表すものとして世に出て行く。それはエロイーズの肖像画のように結婚用の今でいうお見合い写真的にも使われたり、秘密の手紙や誰かに想いを馳せるエッセンスになることもある。
文学的で、抒情詩的で、静の中に浮かび上がる青い炎のような作品です。誰かと感想をシェアしたいというよりは1人でお茶しながら余韻に浸りたい映画でした。
(もっと色々書きたいことあったような気がするけどとりあえずここまで。)
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