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山の記

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山に関するエッセイとか、フィクションとか
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2021年1月の記事一覧

明るくない私は

明るくない私は

吹雪く山頂を一人で目指していた。踏み跡のない白い道を見たら、吹雪いていても我慢ができなかった。強風により雪のない箇所もあれば、吹きだまりでは股下まで埋まる箇所もある。サラサラの雪の下の岩につまづきながら、誰もいない道を笑いながら進んだ。

まつ毛に雪が付いているのが分かる。顔の周りの髪の毛は自分の呼気で凍り付いていて、自撮りでもしたら面白いんだろうけど、明るくない私は、一人では笑ってこの雪と遊びな

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いくつかの死骸

いくつかの死骸

その朝は違和感があった。忘れ物はないか部屋をふりかえり、家に鍵を閉めて車に乗りこむ。目的地へ向かう途中、いくつかある信号機がことごとく青だった。寄る予定だったコンビニを通り過ぎてしまったが、流れを止めたくなかった。コンビニでは食べ物を少し買う予定だったが、なくても支障はない。走り慣れた道は信号機のない自動車専用道路に入った。

薄く霧がかかる中をしばらく走っていたが、先行車も対向車も見当たらない。

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