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「花の枯らし方」 出演者インタビューvol.3

みなさま、お世話になっております。創作ユニット「りこりた」の海牛です。
今回はりこりた1st『花の枯らし方』の出演者のうち、くみずさん、邑井ミヅキさん、横澤のぶさんにお話を伺いました。
ぜひご覧いただけますと幸いです。

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大石明松 役 くみず
りこりた劇団員、大石明松役のくみずです。音響のプランなどを兼任しています。好きな花は桜と、タンポポと、青い薔薇でしょうか。見た目以上に、物語力の話になりますが。
邑)りこりた創設メンバーのお一人。主宰、名塚さんの右腕的なイメージです。舞台上での嘘のない佇まいが素敵です。
横)今回の公演ではじめてお会いします。かがりくんのマイペースさ、芯の強さ、でもそれがなかなか伝わらない人間味がくみずさんじゃないと表現できないなと思います!!

稽古中のくみずさん

中村日向 役 邑井ミヅキ(フリー)
高校入学直後、演劇部の公演を観て「何これおもろ、大学入ったら絶対やる」と思いその後大学入学を機に盛岡で演劇を始めました。役者の他に宣伝美術としても活動しています。好きな花は椿です。
く)邑井ミヅキさん演じる中村日向は、大石とは恋人同士で、作中でも一番絡みが多いと思います。稽古で話す機会も多いですが、シーンに対する考えや言葉がはっきりしていて、すごく助けられてしまってると思います。かっこいいです。
横)今回の公演ではじめてお会いします。ミヅキさんの目の表情の豊かさがとても魅力的だなと思いました。中村の隠しているようで隠れていない感情を表現されていて素敵な役者さんだなと思います!

稽古中の邑井さん

藤夕夏 役 横澤のぶ(フリー)
横澤のぶです。東北学院大学演劇部OB。現在は個人で活動中です。
好きな花はカモミールですかね。カモミールティーが好きなので、書いてみました。花言葉は「逆境で生まれる力」らしいです。私の好きな言葉はシェイクスピアの「逆境が人に与えるものこそ美しい」という言葉です。調べてたら思わぬ共通点があってびっくりしました。カモミールティーを飲みながらどんな逆境でも折れない人になりたいですね(笑)
く)横澤のぶさん演じる藤夕夏は、協力隊のメンバーの一人で、協力隊の中では同じ年長組なので、大石としてはシンパシーがありますね。のぶさんは、稽古場でも明るく色々話しかけてくれるので、そういう意味でも助けられてます。時々アップの時にストレッチなど指南してくれます。
邑)創作への熱量、バイタリティに溢れた、エネルギッシュでとても魅力的な方です。キャラクターを我が物にして自在に演じる姿が素敵です。

稽古中の横澤さん

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-出演を決めたきっかけ、理由を教えてください。
横)ちょうど舞台に関わりたいと思っていた時に、人づてにお話をいただいて。脚本を読んで今まで作ったことがないような脚本だったので、チャレンジしてみたいという気持ちで決めさせてもらいました。
邑)私も菊地さんからお話をしていただいて。仙台でもできたらなあとぼんやりと思ってたんですね。せっかくいただいたご縁、大事にしたいなと思って、受けさせていただきました。
く)大学の同期のかずやさんが劇団立ち上げるって話してるタイミングで私も仙台の方戻ってきて、そういう縁でりこりたに入って。で、読み合わせとかしてたらなんか役者に抜擢されたという笑。
-皆さんはこれまでにどんな役を演じてこられましたか。
く)大学の時にレ・ミゼラブルで青年団の一人やったり、学祭公演でカンパネラをやりました。
横)チェルノゼム「カルチベート・プロジェクト『わたしたち/ロミオとジュリエット』」でジュリエットのような役で出たりとか。学生時代は主に演出をやらせていただくことが多く、あんまり役者をやっていないんですけど、ちょっと気が強かったりする女性の役が多い気がします。
邑)それ私も一緒です。演出経験が豊富ってことで、のぶさんの稽古場でのご意見のされ方とかもすごい納得ができました。
横)どうしてもそっちに目がいってしまう笑。
邑)でも大事なことだと思います。私は岩手大学の演劇サークルをきっかけに盛岡で演劇やってたんですけど、サークル内では気が強いっていうか、癖の強い役をやらされることが多くて笑。今回みたいな普通の女性を演じることは初めてかもしれないと思ってます。私が演じる中村含めて、今作に出てくる人達ってみんなすごく人間像がナチュラルなのでやりやすいです。こういう言動をするにあたって、この子はこういう背景があったんだっていうのを、演出の名塚さんがとっても丁寧にご教授くださるので、頭でも納得がいきます。かつての私の演技を観た人はおおってなるだろうなと思いますね。どんな反応か怖いところでもありますけど。

-今回の脚本を読んでみての感想と、難しそうだなと思った部分について教えてください。
邑)単純に私の好みなんですけど、緻密でどろっとした明るくない人間ドラマが好きなんですよ。今作は人が集まって仲良くなる様が丁寧に描写されている分、その救いのなさがより際立っててすごくいいな〜と思いました。ちょっと難しそうだなと思ったところは、私とくみずさんが2人だけでやるシーンです。いろいろ研究のしがいがあって面白くはあるんですけど、本当にさじ加減が難しかったですね。
横)最初は、すごく和気あいあいとした同年代くらいの人たちが集まっていて、この人たち仲いいな、楽しそうなことをやってるなといった感じで気軽に読んでいたんですけど、急に不吉なことが起きて。崩れていく感じとか、落差みたいなところが凄く面白かったし、どういうふうに壊れていくんだろうってわくわくしながら読んでました。それに、今まで私は人間ドラマを描く作品をあんまり作ってこなかったので、そういう意味でも気になりました。私自身の課題だと、セリフ量がすごく少ない役なので逆にリアクション大事だなと。少ないセリフでも、夕夏はその場の空気感を一番再現している人じゃないといけないと思っていて、その加減が難しいなと思いながらやっています。周りの雰囲気の中で、今、私はどこにいたほうがいいのかなみたいな。結構大変です。
く)最初読んだ感想として、大学の時からかずやさんの脚本を知ってるからなんだけど、言葉を選ばないと面白くなった笑。個々人の複雑な心理の表現が特徴的だなという印象は昔からあったけど、今回の脚本は物語全体としての面白さや話のテーマの伝え方の方が印象に残った。難しそうと思ったところは邑井さんと同じ。これまではメンバーの一人みたいな役が多かったから、焦点があたるシーンはあんまりやったことがなくて、物語的にも結構重要なところだし、難しいなあって思ってます。

-皆さんはどのように役づくりをされているのか教えてください。
邑)私は、なりきるというよりはキャラクターを完全に自分側に寄せるんですよね。キャラクターの思考回路とか背景、性格の設定は情報として仕入れておいて、場面場面でそのキャラクターがどういう思考回路でそういう行動するに至ったのかっていう感情の動きの部分に関しては、自分の今までの経験等と照らし合わせて出力するみたいな。私が演じる上で嘘がないように演じるためには、このやり方がいいのかなっていうふうに思ってます。
横)面白いですね。ミヅキさんの話になっちゃうんですけど、役として一緒に舞台にたってる時に、凄く細かい動作が随所随所に入ってて。多分動きみたいなの決めてない方で、ライブ感というか、その時の雰囲気を体現しようとしている。今のお話を聞いて、なりきるんじゃなくて自分がそこに居るかのようにしてるからなのかなって思いました。
私にとって夕夏は、友達でこういう子いるな、という意味で共感できる子です。なので、友達としゃべりながら作ってる感じですね。それから、作品上の役割的には共同体の雰囲気を一番表す人なので、共同体の中の足りないピースを探しつつ、そこを埋めるようにしています。役づくりとしては、まずは座組の人と仲良くなろうっていう感じでした。
く)私はあんまりちゃんと事前に作っている感じがしなくて、稽古の中でやっちゃってる部分が多いのかも。こうだよなって思いながら動いてみて、それで相手方の演技とか、次の台詞がうまく出てこなかったり、あとは演出からこうして欲しいみたいに言われて、その台詞と気持ちを軌道修正するような感じかな。かずやさんは話の全体の流れのうち、その場面で大石が担っている役割とかを提示してくれるので、それは飲み込みやすかった。

-今作で挑戦したことや目標を教えてください。
く)さっきも言ったけど、あんまりガンと焦点が当たる役をやってこなかったので、やっぱりそれですね。あのシーンは頑張りますですね。
邑)今回みたいな普通の女性の役をやるのは初めてで、まず今まで演じたことのないタイプの役をきっちり演じ切りたい。それから中村は、この崩壊していく共同体の中で唯一の光になるような特殊な役割を担っているキャラクターなので、舞台装置としての中村という役割をきちんと勤め上げたいという風に思います。ただ、これがとても難しいので、頑張りたいと思います。
横)今回は全役者の中で一番ナチュラルな存在で居たいと思っていて。彼女自身が何かを起こすことはないしできないんですけど、だからこそ、一番お客さんに近しい存在になれるのかなって思うので、主体的には動かないけどその共同体を確実に回していける歯車というか、その場で一番足りないものを常に見落とさずに拾っていけるようにしたい。こうって決めるんじゃなくて、臨機応変に対応しつつ、土台を支えるような役目を負えたらって思います。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
りこりた1st『花の枯らし方』へ興味をもっていただけましたら幸いです。



海牛
創作ユニット「りこりた」所属。

りこりた 1st 『花の枯らし方』
ご予約はこちら。
https://t.co/mKGBzUbNv0

【日時】
2023年2月25日(土)・26日(日)
2月25日(土) 14:00/18:00
2月26日(日) 11:00/15:00
※開場は開演の30分前。
※上演時間は100分程度を予定しております。



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