冷蔵庫を買うときに思い出したいこと
低スペックを条件に購入した初代冷蔵庫
ほとんど自炊するつもりはないため一番安いものでいいという基準で、ビジネスホテルにあるような小人用の冷蔵庫を購入した。しばらくは可もなく不可もなく生活に馴染んでいた。食品ロスを防ぐためにも、その日に食べきれる分量しか食材を購入しないのだが、野菜が安い日に少し多く買ってしまった。当然入りきらないため、えのきを冷蔵庫の上に置いておいたら次の日酸っぱいにおいを放ち、どろどろになっていたことを機にもう少し大きいものを買うことにした。えのきさん。申し訳ない。
食品を保存するという本来の目的の向こう側
前回小人用冷蔵庫ストリートを散策していた時には気が付かなかったのだが、それなりの大きさ冷蔵庫ストリートに足を踏み入れると急に売り場が華やかになる。工業地域から商業地域に出た感じだ。芸能人のパネルがあったり、まるでお料理上手なお宅の冷蔵庫をのぞき見しているかのような食材が詰まったディスプレイだったり、あったかいまま保存できますよとか、切れちゃいますよとか、星三つですよとか、付加価値がわんさか追加されていた。そう。売る気満々なのだ。こんな状況での消費者は知能が下がると相場が決まっている。自分だけは大丈夫。見るだけ見るだけ。
急にスペックにこだわりだした二代目
こちらの冷蔵庫は扉と本体の角度が20°以内になると扉が自動で閉まる「オートクローザー」が搭載されていますと説明された冷蔵庫が家に来た。言い訳をしたい。従来の小人用冷蔵庫は閉めた扉が跳ね返って開いたり、扉が閉まっていなくとも音で知らせてくれなかった。そのため一日中扉を開けっぱなしにしたままで過ごしたことがあった。この不便を解消できると思っての購入だ。20°とは採血する時の刺入角度と同じくらいだそうだ。切れちゃうのも氷点下も全てが筆者にはオーバースペックだった。食材を冷やすのに20万円も払うことは今後しない。
冷静さを失いそうなときは、違う事柄で考えると足裏の感覚が戻ってくる
買い替え頻度が頻繁ではないこと、8年くらい経つと技術が進歩していることが、せっかくだから一番いいやつを購入しようの心理につながった。「この車、最高速度は330km/h、0-100km/h加速は2.7秒なんだよ」「どこで出すんですか?」「出さないよ。出せるのに出さないことに優越感があるんだよ」この会話を思い出せればよかった。「土砂降りの雨の中に8時間いても水が染みてこないジャケット」とかも次は絶対思い出す。