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【雑文】やっぱりドラマは海外ドラマだと思う

年末年始、なが〜くお休みしておりましたが、新年ひとつ目のnoteに何を書こうかなぁと思いながら過ごしていました。新しい年を迎えるにふさわしい作品のレビューを、とも思ったのですが、なかなかピンとくる作品がない。昨年は暗いニュースばかりで、気持ちも沈みがちだからでしょうか。
そんなこんなで、新年だというのに、気持ち的にも盛り上がりに欠ける2021年の始まりなのですが、せめてなにか楽しくなるような事を書きたいなあと漠然と思っておりました。

そこで、今回は海外ドラマ好きとして、一度語ってみたかった、海外ドラマの魅力について思う存分書いてみようと思います。
あ、ちなみに、私が「海外ドラマ」と言う時は、主にアメリカで製作された作品を指します。
韓流ドラマについては、また別稿でいつか書きたいなぁ、と温め中です。

思えば昔から海外ドラマを観ていた

昨年、春馬君の事があるまで、ドラマを観ると言えば、海外ドラマ専門でした。
20年前くらいまでは、日本のドラマもよく観てたのに、なんで観なくなっちゃったのか。

1番の理由は、おそらく、日々の生活が忙しくて、リアタイで観られなくなったから。
録画しても溜まる一方で、観きれないから、観ることそのものを諦めました。
そちら方面の興味の扉を閉じる事で、目の前の仕事や生活にその分のエネルギーを注ぐ毎日を選択せざるを得なかった。

じゃあ、もし、ライフスタイルの中に「ドラマを見る」という行為を組み込むだけの余裕があったら観てたのか、と聞かれると、それはそれで疑問な部分もあります。
なんというか、ぶっちゃけ日本のドラマつまらなくなっちゃったのよね。。。

当時、漠然とそう感じていたから、きっと自然と遠ざかったんだと思うのですが、そのへんの漠然とした私の思いの理由は、少し古い記事ですが、この記事を読んで、すっきり納得しました。

そうだよね。つまらなくなったよね。
世相や時代が変わり、エンタメの楽しみ方が多様化したとか、マーケットサイドの変化のせいばかりじゃなく、コンテンツとして、つまらなくなっちゃったんだよなぁ。


そんなこんなで、日本のドラマを見なくなった私は、時間のとれる時は、レンタルビデオ屋さんを利用するようになりました。今で言うオンデマンドの配信サービスの代わりです。
最初は映画を観る事が多かったのですが、2時間から2時間半というまとまった時間って意外と作りにくい。
見始めたら途中で中断させられるのが大嫌いな私には、やはり1話が45分前後のドラマがあってる。で、せっかくならビデオでしか見られない作品を、と言う事で海外ドラマを借りるようになりました。

思えば、幼少の頃から「大草原の小さな家」「アダムスファミリー」「フルハウス」をはじめ、海外ドラマ育ちの私。
そういえば、レオナルド・ディカプリオを初めて見たのも子役時代に出演していたドラマ『愉快なシーバー家(邦題)』だった気がします。

日本のマーケットで、海外ドラマブームみたいなものがあったのかなかったのか、体感としてはまったくわかりませんが、私の人生は言ってみれば、ずっと海外ドラマブームだったのかもしれません。

ハマるドラマにはパターンがある

私がハマるドラマには、ある程度パターンがあります。

まず、大前提として、サスペンス(人が殺されそうになるやつ)でない事、難病モノでない事、グロくない事、この「3ナイ」は必須条件。

この条件を満たしていて、現代劇で、かつ長寿番組であれば、かなりハマる確率高し!
もちろん、好きな俳優さんが出てるとか、好きなプロデューサーさんが作ってるとか、そういうのが入り口になる事はあります。
でも、年に1シリーズとかの放送で、できれば1話完結でなく連続モノで、かつ、長寿番組というのが、めちゃヤバいパターンなのです。

海外ドラマに多いシットコムも好きです。『フルハウス』が典型ですが、シットコムは1話完結スタイルと連続モノスタイルのいいとこ取り。基本的な設定に関するストーリーは連続モノの仕立てで、そこにとある日の出来事が1話完結のストーリーとして展開します。現在の長寿海外ドラマも、基本はこのスタイルかなと思います。

日本では、1話完結の刑事物以外で、現代モノの長寿ドラマといえば、例えば、『金八先生』とか『渡鬼』でしょうか。はい、両方とも観ておりました。ただし、『金八先生』は、途中で脚本家が変わって、別のドラマになってしまったので、オリジナルの小山内美恵子さんの時代だけですが。
ちなみに、『渡鬼』はコンプリートしております。
もはや、毎度繰り返されるワンパターンの嫁いびりや、身勝手な理由でおかくらにお金の無心にやってくるストーリーも、親戚のおばちゃんの気分で生暖かく見守っていました。
ワンパターンと分かっていても、ついつい観ちゃうやつ、です。でもぶっちゃけ、好きでも飽きます。

海外ドラマはなぜ観てて飽きないか

海外ドラマも、長寿になればワンパターンは避けられない事もありますが、意外と観てて飽きるという事がありません。その大きな要因としては、日本のドラマと違って、メインキャストが入れ替わっていくからではないかと思っています。

海外ドラマでは、数年経つうちに、気づいたら、メインキャスト全員が違う人になってるとか普通。
『グレイズアナトミー』のメレディス役が15年にもわたって出演してるのは、なかなか驚きですが、ほかのドラマだと長くても10年くらいすると、初期のメインキャストは入れ替わっている事が多いのではないでしょうか。

メインキャストは入れ替わっても、ドラマの世界観そのままに、ストーリーは続いていきます。それが飽きが来ないで観続けられる最大の秘訣かなと思います。

一世を風靡した『ビバヒル』では、シリーズの後半になると、物語の上で子供達の溜まり場になっていたウォルシュ家の人々はメインキャストから全員姿を消しているのに、ウォルシュ家の家の建物そのものは残って、そこにメインキャストたちがとっかえひっかえ住み着いている謎設定になったりします。
そこまでしても、物語の世界観を大事にするのが海外ドラマなのです。

海外ドラマの稼ぎ方

ところで、なぜ、海外ドラマでは、このようなコンセプトや世界観重視の作品が作られるのか。

先に紹介した記事にもあるように、初めからひとつのコンテンツで、世界展開も含んで、長期間かけて稼げるだけ稼ぐという戦略だから…これに尽きると思います。

日本のエンタメは、良くも悪くもキャストに依存しすぎています。特に日本のドラマは稼ぎ先が初回放送時の「スポンサー」のみの一本足打法。だから視聴率至上主義になるし、視聴率を安易に稼げる旬のタレントを使っておけば、とりあえず安パイなのです。
言ってしまえば、企画は二の次でオッケー。
たまに、脚本家の名前を前面に出す作品もありますが、そういう作品の場合、メインキャストには、その脚本家さんのお気に入りの俳優陣が必要になります。それが必ずしも旬の人とは限らず、質のいいドラマだったとしても、視聴率という軸では必ずしも高い評価には結びつかなかったりします。

ドラマというビジネスの成功の定義が、日本ドラマと海外ドラマでは、根本的に違っていて、日本では長く稼ぐコンテンツを作るという発想がそもそもない。その事が、クオリティに格段の差を生んでいる最大の原因なのではないかと思います。

長く稼げるドラマ制作というビジネスモデルは、ディズニーのお家芸でもあります。
ひとつのキャラクター、または作品で、作品そのものも続編を手を替え品を替え延々と作りつつ、関連商品、なんなら、テーマパークまで。
それを世界中でやって稼ぐ。

そのためには、コンテンツそのものが面白いかどうかが肝になるから、目先の数字がとれる旬の俳優を使う事には拘らず、コンセプト、人物や背景の設定、ストーリーをしっかり考え抜いて企画を作り、キャラクターに合ったキャスティングをする。極端な事を言えば、作品が良ければ、キャストはまったく無名の新人を集めてドラマを作ったとしても、充分ヒットします。いや、ヒットさせられる。それだけのヒットメーカーが、多数存在するのが、海外ドラママーケットなのです。

無名の新人も大化けする

ジョージ・クルーニーが、一躍人気者になったのは、ドラマ『ER』の小児科医ダグ役ですが、初めて見た時、「だれ?このイケメン!」と釘付けになりました。
超黎明期のインターネットで、検索しまくったけれど、全然情報がなく、「まじで、無名のイケメンなのか?」と愕然としました。群像劇のイケメン枠が無名俳優とは、日本では到底考えられない事で、当時、かなりびっくりしたのを覚えています。

ジョージ・クルーニーは、当時30歳を超えているにも関わらず鳴かず飛ばすで、このオーディションに落ちたら国に帰ろうと最後のつもりで受けたオーディションが『ER』だったと言われています。それが大ヒット、からの快進撃で、シンデレラストーリーというか、アメリカンドリームというか。

ダグ役は、最初はモテモテだけど浮気ばかりのしょーもないダメ男の設定でしたが、ジョージの人気が出て、ハマり役という事で、途中から浮気男を卒業し、誠実ないい男キャラに変貌を遂げました。チャラいイケメンから、ホントのイケメンへ。相手役のキャロルを演じたジュリアナ・マルグリーズの好演もあり、ダグとキャロルのカップルは、『ER』史上最もファンに支持されるカップルと言ってもよいキャラクターにまで成長しました。実はこれは当初の企画にはなかった事だと言われていますが、こういうフレキシビリティーも、年単位で続く長寿ドラマならではの面白さかなと思います。

このように、ファンの支持にも支えられて、役が成長していく例は、挙げればいくらでもあるのも海外ドラマの特徴です。制作陣が、企画そのものに自信を持ち、オーディションで選んだキャスト陣に信頼を寄せて、忖度なしに作品作りができる環境があるからこそ実現できるダイナミズムなんだろうなぁと思います。

海外ドラマは企画で勝負する

海外ドラマにあって日本のドラマではまだまだ取り入れられていないアイデアは、他にも沢山あります。

たとえば、生放送の放映とか。
異なるドラマのクロスオーバー企画とか。
スピンアウトで作られる作品も多いです。それも、オリジナルドラマのオマケ的な作られ方ではなく、ガチで作り、そちらも人気があれば、シリーズ化される。
かと思えば、突然、ミュージカル仕立てになったりする回があったり、とにかく長寿になればなるほど、マンネリからなんとか抜け出そうと、作り手がもがいて作っているのが伝わってきます。謎企画も多いけれど、チャレンジは面白いし、支持されるべきだと私は思います。

それもこれも、「ドラマは企画で勝負する」というカルチャーが根底にあるから出来ることなのかなと思います。

番組は配信で観るのが当たり前になり、海外ドラマ好きには天国のような時代が来ました。海外で話題になったドラマが、数ヶ月のうちには日本で観られる!
しかも、物理的にメディアを借りにいかなくていいから、一気に観られる(←ここ重要笑)

何から観ていいかわからないというビギナーの方には、好きなジャンルから長寿番組を選んで観てみたら、とアドバイスするようにしています。
私はあまり得意ジャンルではないけれど、SFやサスペンスにも名作は多いです。賞を取っているものから見始めるというのもいいですし、好きな映画のプロデューサーがいるなら、その人が手がけたドラマを探してみるのもいいと思います。意外と著名なプロデューサーが手がけるドラマが、ちょいちょいあって、しかもそれがなかなかチャレンジで良い企画だったりします。

とおススメしておいて、昨夏から、ここしばらくずっと取り憑かれたように春馬君の作品ばかり観ていて、海外ドラマはご無沙汰しておりました。年も新しくなった事ですし、春馬君のドラマも長い期間かけて楽しみたいから、少し駆け足を弛めて、また海外ドラマも見始めようと思っています。

今年もまたいい作品に出会えますように。
私も、そして皆様も。

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