AVを初めて見た日
こんリシェ( ˶'꒳'˵ )
絶賛ネト麻から逃げてるリシェです。息抜きがてら懐かしい話でもしてみようと思う。
私には兄がいる。3つ上のシャイだけどジャイアンの様な存在だ。年齢も近い。衝突も多々あり拳を交えた事もいくらかあった。
そんな兄も思春期というものを迎える。エロ本デビューである。
だが、エロ本を持ち込んだら最後母親に捨てられるというのがオチである。ベッドの下では危ない、そこで兄が選択したのはエロ本を私の部屋の本棚に隠すということであった。
公園で拾ってきた砂まみれでページがくっついてるようなエロ本だ。だが、兄にとっては刺激を与えてくれる宝物の様なものだった。そして、それらを私の部屋に収めては機会があれば取りに来る。
その間、私はエロ本を読み放題という環境に置かれた。小学校高学年の頃だっただろうか。セックスのセも知らないウブな時だ。エロへの興味と言うより神秘的なものへの憧れが強かった。
私はそのエロ本を読み漁った。だが、意味は全く分からなかった。当時はケツの穴に何かを刺してるようにしか感じなかったのだ。それを気持ちよがる意味さえ分からない。
そして、兄のエロへの探究心は加速する。そう、先輩からビデオを借りたのだった。自慢げにビデオを掲げる兄。兄はシャイだ。
「なぁ、リシェ1人でAV見るの恥ずかしいから一緒に見て」
今までかつて兄妹でAV鑑賞をする者がいただろうか。いや、いない。だが、好奇心には勝てやしない。
「いいよ」
ひとつ返事で兄の部屋へと入る。ベッドに腰掛けテレビの画面をじっと見つめる。今でも覚えている。私が最初に見たAVは生理ものであった。下半身血にまみれた女優が艶めかしく腰を振り喘いでいた。
私には女性が刃物で切り裂かれてヨガっているようにしか見えなかった。トラウマの出来上がりである。
「おぉ!すごいな!AVは!」
興奮というより感激している兄を他所に具合の悪くなる私。血は見慣れるものでは無い。
「なぁ、アニメもあるんだけど見ね?」
AVが一区切りした所で今度は兄が別のビデオを掲げた。アニメならまだ表現がソフトに抑えられているかもしれない。私は承諾した。
すると、どうだろう。町娘が屈強な鬼に犯されるというとんでも展開ではないか。モザイクがかかっているものの鬼の所持している何やらぶっとい物が町娘の股を貫通している。それは今では分かるものの当時の私からしたらファンタジーだ。
苦しむ盤面なのに何故あんあん言えるのだろう、疑問符が辺りに漂う。
「おっすげぇ!」
兄のリアクションはアクション映画のそれだった。
「もう見るのやめとくー」
具合が悪い。その日の私はそそくさと部屋に戻ってベッドに潜り込むのであった。
――エロへの目覚めはそこからそう遠くなかった。
自分の股間に対する興味が湧いたのだ。ケツ穴以外に何かあると確信めいたのだった。
私はある日決心して手鏡を風呂場へ持ち込むと下半身を顕にした。風呂場のひんやりとした空気が下半身を覆う。
「!?」
手鏡には想像していたよりもずっとグロテスクで複雑な襞が張り付いていた。私はそれを人差し指と中指で広げると確かになにかの入口なんだと理解をした。
そこから少コミというアダルト要素のある漫画を買う日は遠くなかった。男子より女子の方が性への目覚めは早かったりする。
――私は小5の春の日を忘れない。
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