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86 首相に手紙を出したら

国会が開かれています。国会ということで思い出したことがあります。以前「首相から届いた手紙」という記事を書きましたが、その後日談です。

手紙が届いた数日後、市の教育委員会からすべての学校に調査が入りました。「首相に手紙を出したのはどこの学校の誰か」という内容です。実はその前日に開かれた国会の答弁で首相が手紙に言及したのです。「〇〇問題に関しましては△△市の中学生からもお手紙をいただいており、国民の関心が高いことは承知しております」という趣旨のことでした。そこで「手紙を書いたのはだれだ」ということになったらしいのですが…  (委員会内部では「どこのどいつだ!」だったのかもしれません)

教育委員会からの問い合わせを耳にした私は自分のクラスの生徒が送った手紙であることを伝えました。経緯もありのまま説明し、何か問題があるのかと問いました。教育委員会の返事は「問題はありませんが、委員会としては市議会から何か聞かれたときに答えられないとまずいと思いますので」というよくわからないものでした。

私はその首相の支持者ではありませんし、特定の政党を支持しているわけでもありません。政治活動をする意思はまったくありません。手紙を出すことは自分たちの声を政治の場に届けたいとう生徒の思いから生まれたものです。私はもちろん賛成しました。大事なことだと思ったからです。

教育委員会は教師の政治活動だと思ったのでしょうか。不適切な教育が行われているのではないかと危惧したのでしょうか。でも、手紙が学校を通して出されたものであるということはわかりません。一人の生徒が個人で出した手紙だったとしても教育委員会は調査したのでしょうか。市内の子どもから首相に手紙が届いたというだけで教育委員会が動くことに私はとても驚きました。

日本の子どもが海外の首相に手紙を出して返事をもらったというニュースを時々耳にします。海外の首相に手紙を出すのはいいけど、自国の首相に手紙を出すのはまずいのでしょうか。子どもたちから手紙がたくさん届く国のリーダーであってほしいと思います。

以前の記事↓


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