見出し画像

生徒の指導はすべての教師が担う

早めにランチを食べ終えた先生が校庭に出て行きました。今日はランチタイムの当番だと言います。休み時間とランチの時間は教師が交替で校内を見回ります。当番以外の教師はゆっくりランチを食べて休憩します。

当番の教師は生徒の問題行動を目にしたらその場で注意しますし、トラブルがあったら必要に応じて介入します。担当の教師だけでなく生徒の指導はすべての教師で行うのが原則だからです。

日本の場合は担任が指導することが多いです。休み時間に生徒が何か不適切な行動をしていると、それを見た教師がその場で注意しないで職員室にいる担任に「〇〇(生徒の名前)が~していますよ」と言いにくることがあります。昼食中であっても担任はその場に駆けつけて指導します。

オーストラリアの学校にもホームルームはあり、担任も配置されています。でも担任は出席確認や連絡事項を伝えるくらいで、担任としての業務は日本ほど多くありません。一方、日本のホームルームは学校教育の目標を達成するために編成された基本単位で、生徒は学習と生活をほとんど同じホームルームで過ごします。そもそもホームルームの概念が両国では異なるように思います。

日本では学級に関わることは担任が責任を持ちます。だから問題が起きるとまず担任に連絡が行きます。担任以外の教師が授業をしているときに生徒が問題行動をすると担任は別のクラスで授業をしている時でさえ呼ばれることがあります。そして時に担任は批判されます。「担任の指導はどうなっている」「学級経営がしっかりされていないのではないか」という批判です。「私が担任をしていたときにはそんなことはなかった」という言う教師さえいます。

生徒の指導はすべての教師が担うという当たり前のことが日本ではうまく機能していないように感じます。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?