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141 本番まであと一週間:合唱大会5

練習が始まって3週間たちました。各教室から聞こえてくる歌声が日ごとに合唱としてまとまっていくのを感じます。まだ幼い声が残っている1年生も初めての合唱大会に向けて頑張って練習しています。2年生はというとこれがなかなかのレベルなんです。教室から素晴らしいハーモニーが響いてきます。朝、昼、放課後とかなりの力の入れようで3年生がちょっと押され気味に感じることもあります。

そして3年生は? 歌声は聞こえてきます。落ち着いた大人の声で3年生らしい合唱です。休み時間も集まって自主的に練習する人たちの姿もあります。「さすが3年生!」と言いたいのですが…  欲を言えばもっと練習してもいいのではないかと私は思っています。「えーっ、もっとやれって言うの?」という声が聞こえてきそうですね。

3年生の音楽は週に1時間しかありません。昼休みは地区の音楽会に向けた練習が組まれているので音楽会に出る人はそちらに参加します。だからクラス全員では練習ができません。そうなると朝と放課後の練習がすごく大事になってきます。でもその練習に私は物足りなさのようなものを感じています。去年、おととしの3年生に比べると盛り上がりが少ない気がするからです。

もちろんみんなはまじめに練習しています。合唱も日ごとによくなっています。積極的に取り組む人がたくさんいて私も嬉しいです。そんなみんなに私はあえて「発破をかけたい」です。それは3年生の盛り上がりが学校全体の盛り上がりにつながり、合唱のレベルを高めるからです。

みんなが1年生、2年生だった時のことを思い出してみてください。3年生の教室では連日暗くなるまで歌声が響いていました。「モルダウ」も毎日聞こえてきました。すべて自主的な練習です。外が真っ暗な中で「3年生はいつまで練習するんだろう」と思うことが何度もありました。正直「すごいなあ」と思いました。

みんなにそこまでやりなさいとは言うつもりはありません。でも今年の1,2年生が3年生のみんなを見て「すごいなあ」と思ってくれることを私は願っています。行事を通して先輩や同級生、下級生から学ぶ。それが学校行事の意義でもあると思うからです。

しおりんのミニアドバイス

自由曲「時の旅人」について
「やさしい雨に打たれ緑が蘇るように涙のあとにはいつも君がそばにいて生きる喜び教えてくれた・・・」
なんて素敵な歌詞なんだろうと思います。そしてみんながこの部分を歌っている時、私はゾクゾクしてしまいます。歌のイメージがぐーんと広がっていくのを感じるからです。残念ながら毎回というわけではありませんが。

前回の学級通信で「モルダウ」を歌う時には情景を思い浮かべて歌おうと書きました。自由曲「時の旅人」でも同じです。ただ「モルダウ」のように自然の光景を歌ったものではないので情景は人によってまちまちだと思います。ある人は幼い頃のことを思い浮かべるかもしれませんし、ある人は最近のこと、ある人は過去から現在の時の流れの中にいる自分を思い浮かべるかもしれません。みんな違っていいのですよ。何も思い浮かべずただ声を出すのではなく、それぞれが自分の解釈でこの歌を表現しようとすることが大事だと思います。

曲に対するイメージを大事にして歌ってください。みんなの異なるイメージが練習しているうちにどこかで溶け合うはずです。美しいハーモニーが生まれるのはその時ではないかと思います。その時はみんなもきっと私のようにゾクゾクすると思います。幸せな気持ちになるかもしれません。気持ちの高まりを感じるかもしれません。合唱のよろこびってそこにあるのではないかと私は思います。そのために何度も練習するのです。

これまでの練習の中で美しいハーモニーを感じた人はどれくらいいますか? まだそこまで到達していない? それはまだ練習が足りないということでしょう。本番までまだ1週間あります。合唱の楽しさを味わうためにもうひと頑張りしましょう。

音楽は表現力が大事です。美しい声で楽譜に忠実に歌っているけれど何を表現したいのかが伝わってこない演奏があります。一方、声はそれほどではないけれど伝ええたいものがビンビン感じられる演奏があります。合唱には「声」という楽器を使って聴き手にメッセージを伝えるという機能もあります。それを実現するのが「表現力」です。みんながステージでどんな「表現力」を示してくれるか楽しみにしています。




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