【国民民主党】統一地方選2023 東海〜近畿

北海道〜北陸信越の前編は、 「【国民民主党】統一地方選2022」になります。是非そちらも併せてご覧ください。


○静岡県

代表:榛葉賀津也(参院静岡選挙区選出参議院議員)

幹事長のお膝元である静岡。二人の国会議員を擁しており、国政選挙では公認候補擁立の有無に限らず、比例で毎回7%超の得票率を叩き出しています。
野党再編の中、分党の判断になった時には、参議院議員の榛葉氏は残留、衆議院議員の三名は合流新党に参加、と判断が分かれました。榛葉氏と共に、地方議員も一定数が新国民参加の決断をし、旧国民県連からは議員数は大幅に減ったものの、全国的に小世帯が多い県組織の中では最大規模の県連です。

参院選では、国民会派に所属していた無所属の山崎氏が、自民新人と無所属現職を相手に三番手で大敗。立憲支持層、維新支持層はおろか、国民支持層をも固められず、二人にゼロ打ち(8時に当確が出ること)を許しました。(山崎氏は今後地方選には出馬せず、あくまで国政を目指す意向です。)
現在、新人の擁立で公表されているのは、浜松市議選の榛葉氏の元公設秘書である小名木勇人氏のみ(党籍を持ちつつ推薦)。党の実質No.2である幹事長、選挙に関するまとめ役である選対委員長を兼務している榛葉氏は、静岡県連の会合で「候補者発掘に努めたい」と議員増へ意欲を示しています。

ただ課題も。維新の躍進です。参院選での県内比例のトップは、(衆参ともに静岡にゆかりのある国会議員がいない)維新でした。統一地方選でも積極的な擁立を図る方針を示しています。この影響は国民民主党にももれなく及ぶことになります。例えば、国民所属の田中氏の地盤である4区には、去年の衆院選で自民現職と田中氏に加え、維新新人が立候補していました。その前年の補選では、自民新人と田中氏の事実上の一騎打ちでした(田中氏は落選)。この二つの選挙の田中氏の得票率を比較すると、田中氏の票がかなり維新に票を取り込まれていることがわかります。つまり、国民と維新では支持層の一定の重複の傾向が見られるのです。
維新が、県議選など比較的定数が限られている選挙に擁立し、旧民主系でも候補者が割れると、間違いなく三者の当落ラインでの激しい争いになります。このことから来年の統一地方選では立憲県連と国民県連で、候補者調整がなされる方針です。静岡県議会では、立憲と国民が「ふじのくに県民クラブ」という統一会派を結成しており、知事与党。連携はある意味当然です。よって、その規模、度合いがポイントになってきます(激戦区に限るのか・推薦支持等の対応を取るのか)。
岡本県連幹事長も、山崎氏が大敗した参院選の結果を「野党が結束しなければ(当選は)難しい」と総括しています。ただ榛葉会長は、(最終的には廃棄されましたが)維新との選挙協力の合意文書の調印にも立ち会うなど、党内では維新との連携にも積極的なメンバーの一人。協力へ動く可能性もあります。維新は、静岡での脅威か、良きパートナーか。まだまだわかりません。
旧民主党時代からの仲間が多くいる立憲県連、県内野党第一党を虎視眈々と狙う維新。候補者調整をどこで行うにせよ、二つの大野党に存在感をかき消されないよう、まずは独自の擁立が重要になってきます。

去年春におこなわれた静岡市議選の結果を見ましょう。党として葵区・清水区・駿河区でそれぞれ推薦候補を立てて戦いました。駿河区では、無所属で現職の女性候補を推薦。危なげなく勝ち抜く結果でした。ただ、清水区では現職(党籍あり)が次点候補に200票差まで迫られる辛勝だっただけでなく、葵区の新人は榛葉氏が連日応援に入りましたが、維新にさえ抜かれる惨敗。必ずしも国政選挙と地方選挙がリンクしていないことを表す結果であると同時に、静岡での多党乱立の厳しい選挙戦の様子を示しているといえます。

静岡県連独自の候補者公募では、静岡市内からの立候補希望者を重点的に募集しています。また、旧国民で統一地方選を勝ち抜いた約半数の議員が立憲へ合流しているため、党の基礎体力を考えれば、当選圏内に入り込める市町村議会議員選挙も多数。浜松市一円の県西部は、所属する地方議員が岡本県議のみで、定数が多い選挙区に効果的に擁立すれば議席増が狙えます。加えて、4区に含まれる富士宮町・富士市では、田中氏の票が比較的強く出ているにもかかわらず、所属議員が(不祥事なども要因で)ゼロであることから、候補者の擁立が必要です。

○愛知県

代表:古川元久(愛知二区選出衆議院議員)

国民民主党の要的存在であり、まさに牙城。自動車産業が盛んであることから、票が強く出る地域です。
参院選では維新の躍進も相まって、現職の伊藤氏の当選が危ぶまれ、当日の出口調査でも五番手でしたが、見事当選。玉木代表も出陣式からマイク納めまで連日張り付く総力戦を展開し、愛知県で史上初めて、二期目の当選を果たした女性議員が誕生しました。
衆院選で出た愛知での党の比例票は19万票。県内での擁立は現職である古川氏のみでした。参院選は県全域が選挙区となり、34万票と大幅増。参院選は、各産別が自らの出身の組織内候補の当選に全力を挙げるため、自動車総連が極めて強い愛知では、選挙の性質上、票が出やすいのは間違いありませんが、やはりここでも「候補者を立てれば比例は付いてくる」という原則が改めて示されたといえるでしょう。
ただ、地方議員の数は決して多いとは言えません。愛知県議会には4名の所属議員がいるものの、一名は旧統一教会との関係性が報じられ(本人は明確に否定)来年の統一地方選での対応が四人のうちで唯一示されていません。県議会では立憲と統一会派を組んでいるため、立憲の現職が既にいる選挙区への擁立は厳しいにしても、独自候補の擁立の上積みは必要です。自動車総連が強い地域では、無所属でありながらも比例の浜口参議院議員と共に収まった国民民主党のポスターを選挙区内に展開している県議現職・候補もいるようです。加えて西区では新人を立てる方針ですが、自民・減税が占める二人区で極めて固く、名古屋市議会の西区の現職と共に、相乗効果で当選を狙いに行けるかが焦点。
名古屋市議会にも4名が所属しています。名古屋市内で地盤を持つ減税日本や維新も4年前より力を増して挑んでくる可能性があり、新人を擁立するのであれば厳しい戦いになりそうです。ただ、古川県連代表が選出されている県2区に含まれる守山・千種・名東の現職は前回も危なげなく当選していて盤石でしょう。また、天白区では前回選も立候補した元職の擁立を決めました。ただ前回、当選ラインにダブルスコアをつけられていて落選していて、今回も苦しい選挙戦を強いられそうです。

一番の問題は、その他の市町村議会議員の所属が4名であることです。34万票の比例票を出すことができる県内での党の体力を考えれば、名古屋市議会以外では4名しか市町村議がいないというのは少なすぎる感があります。またそのうち2名は小牧市議で、統一地方選での改選でないため、来春挑む現職はたったの2人。公認候補を擁立さえできれば、明らかに当選ラインに入り込める自治体も多くあり、まずは擁立数に注目です。また自動車総連の組織内でありながら、無所属で活動している議員が県内には多数います。入党の呼びかけも重要と言えるでしょう。
国政では、全トが与党との関係に配慮し、衆院選へ組織内候補の擁立を前回から見送っています。10増10減で愛知では定数が増えることになり、ここに党として労組とも連携しつつ擁立できるか、また立憲民主党を離党した無所属の関健一郎元衆議院議員は、選挙区内に「国民民主党『対決より解決』」と記した前原氏との二連ポスターを張り巡らしており、この一連の動きへの党としての対応はどうなのか、注目ポイントだらけです。

○岐阜県

代表: 伊藤正博(岐阜県議会議員)

国民民主党の中で一番最初に設立されたのが岐阜県連です。旧国民から全員が残留したことも一因。衆院選では県2区、参院選では選挙区で、それぞれ独自候補を擁立し、比例票が出ている地域です。
参院岐阜選挙区から立候補した丹野みどり氏は、落選後早々に政治活動の継続を表明。次を「ラストチャンス」とも位置付けていて、「絶対に当選しなきゃいけない」としていました。そして10月19日、トヨタの牙城である愛知11区からの出馬が明らかに。彼女の本来の地盤である(出身地でありアナウンサーを務めた地である)愛知から次なる挑戦を決めました。
統一地方選では積極的な擁立を図る考えです。まずは所属議員四人(県議三人・市議一人)の公認が内定しました。玉木代表は、岐阜県内での議員倍増にも意欲を示しています。現在、岐阜県議選では、現職の所属議員がいる3選挙区、そして同じ会派の議員がいる関市・美濃市と多治見市の二選挙区を公募の対象外としていて、それ以外の選挙区では擁立を目指しています。定数の多い岐阜市や中津川市、高山市、揖斐郡選挙区では擁立を進めたいと考えで、特に県都岐阜では長らく守ってきた国民所属の現職が、前回の選挙で落選しており、奪還したいところ。
市町村議会議員選挙へも全自治体を対象に行なっていますが、やはり保守王国では、小さな自治体になればなるほど、候補者が「自民しかいない」(大谷由里子元県2区総支部長)という状況も珍しくなく、その状況で野党第3党の国民公認で出馬する候補を見つけるのは至難の業。岐阜市議選など比較的規模の大きな選挙への擁立がまず最初の目標になってくると言えます。特に、県議がいるものの市議空白区である、各務原市・可児市では擁立の余地があります。
衆院選では引き続き2区に擁立できるのかも注視。

○三重県

代表: 金森正(元衆議院議員)

三重は元々民主王国。旧民主党民進党で要職を歴任した岡田克也氏の地元になります。
三重県連には所属議員は多くないものの、一定の比例票が出る地域で、衆参どちらの選挙も期間中、玉木代表が比例運動のために県内入りしました(衆院選では選挙期間中唯一の日曜日に三重入り。選挙区に公認候補がいない県をラストサンデーに訪問するのは極めて異例と報じられました)。また参院選では連合三重から、「選挙区候補は国民公認か無所属が望ましい」とされましたが、人材不足を理由に断念、結局立憲系の新人を推薦せざるをえませんでした。
実は三重は、立憲への合流の可否を迫られた時、県連全体で不参加・残留を決めた数少ない地域の一つ。その判断の直前まで、非自民非共産の民主系連携形態「三重方式」が健在とされ、国民県連は合流するという予測が大半を占めていました。中でも金森代表は「穏健派」と報じられていて、立憲との合流も臨んでいたとされます。が、県連内で立憲との関係に極めて強硬なメンバーも多く、衆院選で県内の立憲候補へ県連としての支援のあり方を検討する際には「支援も応援もしない。完全に関係をリセットすべきだ」との声も。ただ、支持母体である連合の産別でも立憲への姿勢では割れていて、立憲候補を推薦した団体もあれば、明確に反対したところもあり、個々の濃淡が事態を複雑化。結局、「支持」とする判断をしました。関係者は「推薦はしない、ではなく、できない」。金森代表は「県内の長い歴史があるが、昨年9月に(合流しないという)袂を分かった経緯もあり、心情を一本化するのは大変難しいというのが実感」と述べていて、代表として舵取り役の難しさを吐露しています。立憲との距離感、すなわち民主王国三重の長い歴史の中で紡ぎ出されてきた連携体制との距離感がポイントになります。
また三重県内には、党籍を持たないものの県連に参画する友好議員が複数います。こうした議員に「入党を呼びかける」とキャラバンで玉木代表も明言。また県連は参院選の総括として党への支持を拡大するには議員の数を増やしていくことが必要だという判断をしています。統一地方選にも積極的に擁立を図ると共に、野党議員空白区である衆院1区4区に擁立を目指す方針です。県連幹部の発言、「あいまいな対応を続けていては新たな支持は獲得できない」。統一地方選は独自路線へ踏み出す、その第一歩と言えます。

○京都府

会長:前原誠司

旧民主系の重鎮、前原氏が府連会長を務めています。前原氏は、本予算賛成などの党の方針へ反対等、執行役員でありながら玉木執行部との意見の乖離などが見られます。参院選では国民県連として立憲現職支援の方針を示した長野選挙区の維新新人を訪問したり、地元京都とはいえ出陣式からマイク納めまで維新候補の応援に張り付くなど、維新との関係強化にも前のめり。一部議員らの反発で、一時維新との推薦合意文書の存続が危うくなったときは、府連の会合で本部の方針に不満が出るなど、京都府連と前原氏の足並みは揃っていると考えて良さそうです。
前原氏は取材に「ありがたいことに国民民主党から出たいという人もいる」としていて、積極的な擁立を図りたい考えです。参院選後、具体的な候補者選考を始めたいとしていました。前原氏の地元2区内では地方議員が飽和状態で、京都市以外での擁立の程度が鍵になります。

○大阪府

会長:浜野喜史 (比例代表選出参議院議員)

大阪府は国民民主党が極めて弱い地域の一つです。衆院選では府内の選挙区に擁立すらできませんでした。参院選では大谷氏が出馬しましたが、地方議員不在地域では、選挙区得票も比例も厳しくなっています。(逆に池田など地方議員がいる市町村では比較的強く出ています)
統一地方選で改選を迎える三人の現職市町議が公認で出馬を決めています。また浜野府連代表は大阪府内でのキャラバンの中で、大阪で地方選に出馬したいという男性のエピソードを紹介して、積極的な擁立へ意欲を示しています。
地域事情としては、国政においては国民民主党の政策グループの一つである民社協会に所属している大阪府議・大阪市議は、自民系会派に属しています。立憲さえ大阪市議会では議席を有しておらず、維新が圧倒的支持を誇る中、大阪府議・大阪市議の当選は極めて厳しいことから、府内の各市町村議選への擁立が現実的だといえます。

○滋賀県

代表:斎藤アレックス(滋賀一区選出衆議院議員)

参院選と共に投開票された滋賀県議補選。滋賀県内でも比較的野党が強く、また斎藤候補の地盤である大津で自民候補と野党系のチームしが候補の一騎打ちになりましたが、チームしが候補は惨敗しました(滋賀県内では元知事の嘉田由紀子氏・連合滋賀を中心とした野党系の枠組み「チームしが」が県内の地方議会で一定の勢力を占めています)。
2017年以来衆議院では野党系国会議員が不在でしたが斉藤氏が比例当選し1区での議席が回復したり、嘉田氏が参院の国民会派入りしたり、滋賀は国民民主党の勢力が強い地域の一つです。キャラバンで訪れた玉木代表は、「滋賀県内でも」、地方議員を倍増させる目標を掲げました。
滋賀県議選では複数区には原則擁立を目指す方針です。が、これらの候補は国民公認での擁立になるのか、それとも前回選挙のように、立憲・国民の所属議員らでチームしが公認での立候補になるのか。国政レベルでは距離が広がっている立憲と国民ですが、滋賀では伝統的に協力関係にあり、市議選の立憲候補の応援に斉藤氏が駆けつけたり、参院選滋賀選挙区は立憲所属の支部長(のちに離党)で両党が一本化しました。統一地方選でもこの傾向は変わらないものとみられます。
加えて大津市と共に滋賀1区に含まれる高島市は、自民が比較的強く、その傾向は衆院選でも参院選でも明らかです。前回無投票の高島市で県議候補を立てられるか、当選に繋げられるかは、次回の衆院選にも関わってきます。
大津市議会では現在3名が所属していて、現状の党勢を考えれば妥当。またチームしがの議員が多く(立憲などに所属しています)、独自での多数の擁立は厳しそうです。まずは全員当選が目標となります。
他に所属議員がいるのは草津市議会・統一地方選では改選にならない高島市議会の2市のみで、他市町村への追加擁立は急務です。前回の統一地方選の玉木代表の第一声は滋賀であり、かつて民主王国であった滋賀は前述の通り国民民主党にとって全国的にも最も重要な地域の一つ。
前回の衆院選では滋賀3区での擁立を目指していたとも報じられており(結果は共産支援)、次回も擁立へ動くのであれば3区にあたる地域での組織固めの意味から別途で擁立に力を入れる必要があります。

○奈良県

代表:榛葉賀津也

キャラバンで訪れた玉木代表は、奈良での党勢拡大の現状を「潜在的な支持層があり、党勢拡大の余地がある」と評価しました。参院選では候補者を擁立できなかったことから「厳しい」としつつ、現職+aでの擁立・当選に意欲的。
県連未設置の衆院選時より県連が発足した参院選の方が得票数が少なく、全国的に厳しい府県が多い近畿圏の中でも、特に難しい地域の一つ。6名の市議会議員が所属しています。
また県議不在県にあたり、県議会議員の候補者公募を県連独自にスタートさせました。ただ全体的に当選ラインとなる得票数が高くなっていて、定数の多い県都奈良ですら、党の比例票は当選枠の票数にとどいていません。また前回選の結果では現職が固い印象があり、新人が食い込める余地をつくれるかが焦点です。
市町村議選では、二人の現職を擁する大和高田市議会で現有維持なるかが注目。奈良市や大和郡山市、生駒市など、県内の比較的人口が多く、定数が多くなる地域(=少数政党や新人でも当選しやすい地域)では、既に現職議員がいて、県内での党の体力を考えると新人議員の誕生は難しい戦いになりそう。

○和歌山県

代表:浦口高典(和歌山県議)

来春の統一地方選では、3名の所属議員全員が公認で出馬する予定です。(和歌山市で県議1名・市議2名)それまで県連代表を務めていた岸本氏が県知事選出馬にあたり離党し、一時は県連の存続さえ危ぶまれたそう。真偽の程はわかりませんが、一部報道によると岸本氏の突然の県知事選出馬表明に、県連の幹事会では「もう勝手にせい」と怒号が飛んだと言います。
党としては県知事選で岸本氏の推薦を期間決定しているため、今後は統一地方選と同時期に行われる和歌山1区の補選に公認候補を擁立するかが焦点です(補欠選挙では比例はないため、公認でなくても良いという判断がなされる可能性がありますが、いずれにしろ国民系候補を擁立できるか)。自民の擁立は既定路線、そのほかは立憲が意欲を示しています。一つ注意せねばならないのが1区は何も野党が強い地域ではないということ。岸本氏が落選後の四年間地道に駆けずり回って作り上げた岸本王国であるだけで、1区内の比例の圧倒的第1党はやはり自民です。ただ、前回の衆院選では岸本氏は自民支持層の4割近くを固めています。ほかの地域の例外ではなく、自民が強い1区で野党が勝つには、相当な準備期間と岸本氏の全面的なバックアップが必要不可欠ですが、まだ候補者すら名前が上がっていない現状、岸本氏は自民の推薦を得て知事選を戦っているという事実を見ても、厳しい戦いになりそうです。
統一地方選で関しては、岸本氏の地盤である和歌山市に全ての地方議員が集中しているのは課題で、県内で広く比例票を集めるためには、県南地域への擁立も視野に入れていかなければなりません。が、やはりその地域では議会の定数自体が少なくなり、定数全部が自民現職の指定席、というようなことがであるのも現状であるのもまた現実。岸本氏がいなくなった和歌山で、どう党勢拡大の策を講じていくか。課題は山積しています。

○兵庫県

代表:向山好一(兵庫県議)

兵庫も党勢拡大に苦慮している地域の一つです。先の参院選では、全国の複数区で唯一、選挙区に関して県連としての判断を示すことができませんでした。裏を返せば、安易に立憲支援の道を選ばなかった、ということになるのですが、三人区であることを考えれば、独自候補擁立が必要だったと言えます。
ただ比例では一定の躍進が見られました。目標の10万票にこそ届かなかったものの、2万票ほど増やしました。衆院選では3区で候補者を擁立しており、参院選では立てられなかったということを考えると、県内で党の支持が拡大した、と言えるでしょう。

統一地方選では、県内でも既に新人候補の擁立が(非公表分であるものの)決まっています。ただ、県内での維新の伸長は、4年前の比べ物にならないほど進んでいます。
神戸新聞が、参院選の比例票を県議選の当選ラインに当てはめる分析を行った結果、維新が大きく伸ばす情勢であることがわかりました。もちろん国政と県政は別物であるため、単純には比較できませんが少なくとも前回と状況が違うことは明らかでしょう。また、県連所属の現職県議一人は落選する試算となっていることを含めても、厳しい情勢だと言えます。
他にも政令指定都市である神戸市議会でも積極的な擁立を図る考えです。既に公認が内定している候補予定者もいます。
その他の市町村議会でも擁立を目指しています。比較的定数が多い姫路・西宮で擁立できるかが焦点です。明石では候補擁立の方針を固めています。


衆院の新愛知16区で立候補を決めた福田徹氏。岐阜県可児市の出身で、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の救急医。医療と介護の政策に力を入れたいといい、会見では「すべての国民が幸せを感じられる政治をしていきたい」と述べました。大塚耕平参議院議員は、同日行われた党のYoutubeライブで、「地元でもよく知られた救急の名医」と持ち上げました。
16区に地元犬山が含まれる伊藤孝恵参議院議員も、自身のYoutubeで「よく(愛知16区で)鞍替えするんでしょ、と言われる」と苦笑しつつ、福田氏が総支部長に就任してことに触れました。福田氏の公募の論文にも目を通したと明かし、内容も絶賛しました。
票田となる犬山や小牧は民主王国と言われる県内でも、自民が強い地域。ただ参院選での伊藤氏の票数が、犬山市一円では自民候補に次ぐ2位になっているため、そのことも加味され今回の擁立に至ったとみられます。


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