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地獄のクリぼっち

「またクリスマスか……」
 寒い季節。今年もクリスマスの日を迎えた。外ではカップルたちが幸せな雰囲気を醸し出している。反対に僕は彼らの表情を見ていた。窓には気持ち悪い顔が映る。
 暖房の効いた部屋で、テレビを点ける。番組ではクリスマスの話題が殆どだった。
「はあ……」
 どの番組も面白くなく、すぐにテレビを消した。
「もう夜か……」
 時計の針は夜の8時を指していた。僕はキッチンに向かう。台所でお湯を沸かし、カップラーメンの蓋を開けて注ぐ。
「いつになったら終わるかな……」
 ラーメンを食べながら考える。この日を迎えないために何をするべきか。そんな悩みも解決することはなく、食べ終わってしまった。空の容器を水で洗い流し、ゴミ箱に捨てる。そのまま歯を磨き、ベッドに横たわる。
「早く明日が来ないかな……」
 クリスマスが早く終わることを望みながら、眠りについた。その日、僕は同じ夢を見た。昔付き合っていた彼女との思い出を……。

 あれから時間は過ぎ、眠りから覚めた僕は日付を確認する。
「またか……」
 そこには12月25日と記されていた。

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