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記念日 【超ショートショート】


「ねえ、起きて! 今日はなんの日でしょうかっ?」
彼女が耳元で楽しそうに言う。

またか……。

答えを外すと、彼女はひどく機嫌が悪くなるんだ。
仕方なく、寝起きの頭をフル回転させて考える。

彼女の誕生日じゃないし、
数えるのも面倒な付き合って何ヶ月記念日(毎月22日だ)でもないし、
初デート記念日でもない。

どうしても思い出せないので、あてずっぽうに答える。

「ええと~、初めて話した記念日……かな~?」
「ブッブー!」

 彼女の声が2オクターブは低くなり、僕の体は金縛りに。

「もうっ、大切な日を忘れちゃったの? 今日は四回忌でしょ、わたしがあなたに殺されてからっ!」


#超短編小説


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