ねむたい

小さい頃から、夜たくさん寝たのに、午前中から昼寝をしていることが多かった。

朝起きて、ご飯を食べて、何か作業を始めると、途端に眠たくなる。眠たい中、無理やり進めても効率も悪いので、睡眠欲に抗うことはせず、そのまま寝ていた。気づけば、もう13時だった。昼ご飯を食べると、また眠たくなる。気づけば寝ていて夕方になっていた。

あんなに寝たのだから、夜は寝られないだろうと思っていたのに、自然と眠たくなる。眠るために生まれてきたのかと錯覚するほど、いつも眠たいのだ。

話は少し変わるが、僕には付き合って1年が経つ彼女がいる。付き合ってから知ったのだが、彼女は僕と同じくらいよく寝る人だった。頻繫にLINEの返信がきていたかと思うと、突然、返信が途絶え、しばらくした後、

「おはよー。気づいたら寝てた(笑)」

と、メッセージが送られてくるのだ。そんな彼女が言っていた印象的な言葉がある。それは、

「寝るのにも体力がいる」

という言葉だった。僕はずっと人は疲れたら寝るものだと思っていたけれど、彼女曰く疲れすぎていると人は寝れないらしい。

最初は意味が分からなかったけれど、最近、この言葉を体感する出来事が僕にもあったことを思い出した。

僕はコロナ禍が始まった2020年の春に大学に入学した。勿論、講義は全てオンラインで入学式すらなかった。そんな春学期が終わり、約2ヶ月間の夏休みが始まった。アルバイトがない日、僕はとんでもなく暇だった。外にでるわけにもいかないし、ひたすら家にいた。ずっと家にいると、孤独をとてつもなく感じて、何をする気も起きなくなった。

朝起きて、ご飯を食べる。その後、布団に戻り、昼過ぎまで寝る。昼ご飯が終わると、また布団にいくのだ。しかし、寝れない。僕は寝ることに疲れていたのだ。なんでずっと寝ているんだろうと、布団の中で悲しくなった。こんな時に何か没頭できることを見つけておくべきだったな。でも、そんなものを探す気力もない。ずっと頭の中で考えごとが止まらなくて寝れなかった。

彼女のさっきあげた言葉で、この経験を思い出したのだ。精神的に辛くなると、寝ようと思っても寝ることができない人って僕以外にもいるんじゃないかな。ダラダラ過ごすことが社会では悪だとされがちだけど、すぐに眠りについている間は、心はまだ保てているのかもしれない。

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