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囀るをキャラクターへの共感を込めて読んでいると、ふいなモノローグにやられて目頭が熱くな…

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囀るをキャラクターへの共感を込めて読んでいると、ふいなモノローグにやられて目頭が熱くなる。主人公矢代と百目鬼の心情を察して余りありたい。 人が人の懐深くに住み着いていく様を、美しく熱く・儚く堅牢に描く「囀る鳥は羽ばたかない」をあれこれ語ります。

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共感ベースで読む・囀る鳥は羽ばたかない-矢代に重ねる①

思えば「人生は誰かのせいであってはならない」と奮い立たせて生きてきた人生なので、囀るの中にこの文字を見つけた時、一発で心を持っていかれたことを思い出す。 矢代というキャラクターに対しては、「矢代の立場を考えたらこうだよね」って頭で理解するよりも、直感的に、それはもう感覚的に「わかる」って思うことの方が圧倒的に多かった。 (頭のキレや行動力、臨機応変な立ち回りや演技力については頭で理解することの方が多いけど) だから、私自身が感じたままの矢代の気持ちを、ストレートになぞってみ

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      *55話までを読んでいて 「漂えど沈ます、されど鳴きもせず」 まさにこのタイトルのように、4年間漂うような生き方をして己の感情の置き所を見つけられないまま、つかみどころのなかった矢代。 百目鬼と再会した後は、百目鬼にも自分にもただひたすらにずーーーっと怒りを持ち続けていて、それだけでもなんだかすごい変化だな、と思っていた。 矢代に救われて、矢代のために生きると誓った百目鬼。矢代のそばで生きるためだけに、これまでどれほどの泥水をすすってきたのだろうか。 百目鬼には、かつてた

      • 共感ベースで読む・囀る鳥は羽ばたかない(53話)

        「呪いにかかったままの俺は 昔のお前ばっか探してる」 ”会いたかったのは、昔のあなた”。 4年前に諦めたものを瞳の奥に残したまま、過去の百目鬼を想い続けることしかできなかった矢代からすれば、自然な感情。それでもこの言葉で胸がぎゅっとなるのは、想っても想っても記憶は更新されることはなく、いつまでも過去の百目鬼を追いかけるしかなかった頃の寂しさを想像してしまうから。 4年後の矢代は、自分がかつてあんなにも大粒の涙を流したことなんて綺麗に忘れて、百目鬼と再会すれば、もう一度抱かれ

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